【完】雪の上に、犬と猿。たまに男と女。

Bu-cha

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私の言葉にキミヨが凄く驚いた顔をした。
でも、すぐに嬉しそうに笑って・・・。



「そっか、好きだからね・・・。
私もそうだよ、結局。
夜中にも店に立つことは私の譲れないことだけど、それ以外のサトシの譲れないことに私は理解出来なくても納得出来なくても頷くことも協力することもある。
結婚すると小さなことから大きなことまで毎日のように色々と出てくるからね、驚くことに。
でも、私もサトシのことが好きだから、喧嘩をしながらでも一緒にいたい。」



「喧嘩をしながらでも、か。」



「犬猿の仲じゃなくても喧嘩するよ、ちゃんと夫婦だもん。
それだけ相手に伝えたい考えや気持ちがあるってことだもん、めちゃくちゃ綺麗な言い訳だけどね!!」



「そっか・・・。」



「これが宮本家の夫婦の形かな!!」



サトシと結婚をして宮本という名字になったキミヨが清々しい笑顔でそう言った。



「とりあえず、雪枝のところは新婚旅行にでも行ってきたら?
今回の案件で秘書としての実績を形として残してあげたいってオババせんぱいが言ってたよ?
そしたら新婚旅行だろうが産休だろうが育休だろうが雪枝も休む気持ちになれるだろうって。」



「社長、そんな風に考えてくれてたんだ。」



「ゆきのうえ商店街で誕生した大企業の女社長になった人だからね、オババせんぱい。
本当に憧れる。」



「昔から何かと格好良かったけからね、スッピンはのっぺらぼうだけど。」



「でも、あれ薄い顔なだけでちゃんと整ってるからね!!
息子達と大人になってから会ったことある?」



「ないない!
噂では社長に似てるらしいよ!」



「それは良かった!!
オババせんぱいの旦那、顔も性格も残念だもんね!!」



「ちょっと、それうちの会社のもう1人の社長だから!!」



「だって本当にそうなんだもん!!
オババせんぱいにならもっと良い人いたでしょ!!
顔は仕方ないにしてもさ、あの人何であんな性格なの!?
“女好きの竜”とか全然笑えないし!!」



「“俺は不細工だから数を打つしかない”って言ってたけど。」



「いや、オババせんぱいと結婚してからも引き続き女好きだったけどね!!
なんなら今でも商店街にいる女の子達に声掛けてるし!!
だからオババせんぱいに離婚されるんだよ!!」



「あれは須崎社長の方から離婚って言ってきたんだよね。」



「はあ!?あの人なんなの!?
私ああいう人本当無理。」



「いや、あの人うちの会社の社長でもあるからさ・・・!!」



そんな話をしていたら、隣の席でクスクスと笑っていた女の子達が「アッ」と声を上げた。
その女の子達の視線を追うとお店の入口には須崎社長が立っていた。



「あ、君達そのメイク良い感じじゃ~ん。
この前の試供品のやつ?」



「「そうです!!ありがとうございました!!」」



この女の子達とも知り合いなようで、須崎社長が当たり前かのように私の向かい側に座って女の子達に話し掛けてきた。



「須崎社長、宝田はハンバーガー屋の方にいますので、呑むなら向こうに行ったらいかがですか?」



「嫌だよ、こっちのお店の方が俺好みの女の子が多い。」



そんなことを大真面目な顔で言ってきて、キミヨが顔をしかめた。



「サトシがこんなこと言い出したら私は即離婚。」
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