【完】雪の上に、犬と猿。たまに男と女。

Bu-cha

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上機嫌な須崎社長を残し、私は宝田の実家へと帰った。
一足先に宝田は帰ってきていたようで、部屋でスーツを脱いでいる。



「長峰、今日こっちに帰ってきたんだ?」



「うん、夜ご飯の時に宝田と私のセックスの話になったから気まずいし。」



「長峰の家、夜ご飯中に家族でそんな話になるっけ!?」



「私もお父さんもビックリしたから。
そういえば、須崎社長さっきキミヨの店に来てたよ?
店にいた女の子達に新しい化粧品の試供品沢山あげてた。」



「須崎社長の話とかどうでもいいや。
どうせキミヨの店の方がSNS映えとか意識してる女の子多いからでしょ。
マツイ化粧品の社長から直接試供品貰ったとか、キミヨの店の宣伝にもなるしマツイ化粧品の宣伝にもなるからそっちなんだろうね。」



宝田からそう言われ、お店の中にいた数組のお客さんを思い出してみる。
確かに美意識も高そうな女の子達で、お酒やおつまみの写真だけではなく自分達の写真も何枚も撮っていた。



「最近の女の子達さ、キミヨにもスマホでの撮影を頼んでたけど、みんなスマホを2つとか3つ重ねた状態で何分も掛けてキミヨの持ち手を微調整して、リモコンで自分達でシャッターを押してた。
創意工夫が凄いよね、数台のスマホのレンズ部分を少しずらした状態で持たせるの。
1人の女の子が1番手前のスマホの画面を見ながら微調整していって、“このまま持っててください”って。
キミヨ、最初の頃は“私写真撮るの下手で”って言ってたらしいんだけど、少し前から大抵の女の子達はこうやって写真を撮るのをお願いしてくるみたい。」



「へぇ、知らなかった。
そうすればお互いに写真送り合わなくていいのかね。
それとも角度が若干違うからそれも送り合うのかね。」



「そこまでは聞いてないや。
でもさ、みんな加工なんてしなくても凄く可愛いのにSNSの加工凄いよね。」



「いつの時代も女の子は可愛くなりたいんだろうね。」



「私そういう気持ち全然分からないんだよな~。」



「俺以外の前でそういう発言しない方がいいからね?
その顔の作りで言うと敵作るから。」



「そこまでバカ舌じゃないから。
宝田だから言ってるに決まってるじゃん。」



「だな、風呂どっち先入る?」



「そっちもお酒呑んだでしょ?
お酒呑んでからお風呂に入ると倒れることもあるから、一緒に入ろう。」



「了解です。」
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