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その言葉には驚くしかなかった。
俺にそこまで話すらしいから。
そこまでさらけ出してくれるらしいから。
「俺は母親のことが好きなんだよ。
本当に、本気で、好きなんだよ。
女として、好きなんだよ。」
「それは・・・見る目があるね・・・。」
そんな返事しか出来なかった俺に鮫島光一は自然な笑顔を見せた。
「俺は12月末までしかいられない。
ナイトメディカルケアにそれまでしかいられない。
今しかない。この会社で男と女でいられるのは、今しかない。」
「なるほどね、確かにそれは期日が迫ってるね。」
「だから、協力をして欲しい。
俺にも協力をして欲しい。
理子だけにじゃなくて、俺にも。」
理子ちゃんに協力していた話も知っているようで、これには少しだけ焦る。
「あれ、ナンパじゃないよ?」
理子ちゃんに近付いた時、理子ちゃんからしてみたらナンパでしかない近付き方だった。
「そんなの知ってる、だから言わない。
嫁さんには言わない。」
「それは助かります。」
長峰には知られたくなかったので心から安心し、本当の鮫島光一を見せてくれたこの男に俺も心を開く。
「桃子先輩は、子どものことが好きなんだ。
子どものことが1番好きなんだ。
何回も何回も聞いたよ。」
桃子せんぱいは何も嘘をついていない。
嘘も偽りも何もない。
「それは・・・そうだろうな・・・。
そういう人だから・・・。」
「俺は・・・俺達はさ、桃子先輩のことが大好きでさ・・・。」
色々な人から再婚話を振られる度、桃子せんぱいはちゃんと答えていた。
本当のことを何回も何回も答えていた。
どんな気持ちだったんだろう・・・。
あの時、あの人はいつもどんな気持ちで答えていたんだろう・・・。
そう考えると涙腺が死にそうになってきて、あの人はそういう意味でも“死神”だった。
「幸せになって貰いたいよね、ちゃんと。
女の人としても、幸せになって貰いたいよね。」
そしてそれは岩渕室長が相手ではないと思っている。
2人が話している姿を見ていなくても分かる。
それくらいに桃子せんぱいは鮫島光一の前では違った。
それくらいに桃子せんぱいは鮫島光一のことについて必死になっていた。
俺にあんな風に助けを求めてくるくらい、必死に。
「桃子先輩の為って言われたら断れないよね。
嘘も偽りも言わないよ、俺。」
「よろしくお願いします。」
深く頭を下げた鮫島光一に、俺は自然と笑った。
そして・・・
「了解です。」
そう返事をした後に頭をゆっくりと上げた鮫島光一に聞いてみた。
「どうしたらそこまで男らしくなれるのかな?」
「1回本物の戦場に出ればなれるんじゃねーか?」
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俺にそこまで話すらしいから。
そこまでさらけ出してくれるらしいから。
「俺は母親のことが好きなんだよ。
本当に、本気で、好きなんだよ。
女として、好きなんだよ。」
「それは・・・見る目があるね・・・。」
そんな返事しか出来なかった俺に鮫島光一は自然な笑顔を見せた。
「俺は12月末までしかいられない。
ナイトメディカルケアにそれまでしかいられない。
今しかない。この会社で男と女でいられるのは、今しかない。」
「なるほどね、確かにそれは期日が迫ってるね。」
「だから、協力をして欲しい。
俺にも協力をして欲しい。
理子だけにじゃなくて、俺にも。」
理子ちゃんに協力していた話も知っているようで、これには少しだけ焦る。
「あれ、ナンパじゃないよ?」
理子ちゃんに近付いた時、理子ちゃんからしてみたらナンパでしかない近付き方だった。
「そんなの知ってる、だから言わない。
嫁さんには言わない。」
「それは助かります。」
長峰には知られたくなかったので心から安心し、本当の鮫島光一を見せてくれたこの男に俺も心を開く。
「桃子先輩は、子どものことが好きなんだ。
子どものことが1番好きなんだ。
何回も何回も聞いたよ。」
桃子せんぱいは何も嘘をついていない。
嘘も偽りも何もない。
「それは・・・そうだろうな・・・。
そういう人だから・・・。」
「俺は・・・俺達はさ、桃子先輩のことが大好きでさ・・・。」
色々な人から再婚話を振られる度、桃子せんぱいはちゃんと答えていた。
本当のことを何回も何回も答えていた。
どんな気持ちだったんだろう・・・。
あの時、あの人はいつもどんな気持ちで答えていたんだろう・・・。
そう考えると涙腺が死にそうになってきて、あの人はそういう意味でも“死神”だった。
「幸せになって貰いたいよね、ちゃんと。
女の人としても、幸せになって貰いたいよね。」
そしてそれは岩渕室長が相手ではないと思っている。
2人が話している姿を見ていなくても分かる。
それくらいに桃子せんぱいは鮫島光一の前では違った。
それくらいに桃子せんぱいは鮫島光一のことについて必死になっていた。
俺にあんな風に助けを求めてくるくらい、必死に。
「桃子先輩の為って言われたら断れないよね。
嘘も偽りも言わないよ、俺。」
「よろしくお願いします。」
深く頭を下げた鮫島光一に、俺は自然と笑った。
そして・・・
「了解です。」
そう返事をした後に頭をゆっくりと上げた鮫島光一に聞いてみた。
「どうしたらそこまで男らしくなれるのかな?」
「1回本物の戦場に出ればなれるんじゃねーか?」
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