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「鮫島ちゃんを上げるような所じゃなくて申し訳ねーよ。」



「ここ、私の実家なんだけど。」



それから数日後、鮫島光一からの提案で俺と鮫島光一は須崎社長と一緒にゆきのゆえ商店街にある板東社長の実家にお邪魔していた。



須崎社長の実家は数日前からリフォーム中で、板東社長が初めて家に上がることを承諾してくれた。



「この絵は板東社長が描かれた絵ですよね、大きな賞を取った時の。」



「そんなことまで調べてるの?
そこまでくるとやっぱり御社は怖いわね。」



「板東社長、そこまでこなくても俺なんて結婚させられましたからね、めちゃくちゃ怖いんですけど。」



俺が言うと板東社長は大笑いして何度も頷く。
その奥で鮫島光一は額縁に入れ飾られている絵画を何枚もじっくりと見ていて、俺は特に絵はよく分からないので「やっぱり上手いな」としか思えなかった。



「ほら、茶!!」



意外にも須崎社長がお茶を出してくれ、これには鮫島光一と一緒に同じタイミングで小さく笑った。



「この人の方が何かとマメなのよね。
最初は何1つ出来ない人だったのにすぐに出来るようになったし、私よりもとにかくマメ。」



「良かったじゃん竜さん!
オババせんぱいが褒めてるよ!!」



「それは褒めてるんじゃねーよ、もっと大雑把で良いから早く終わらせろって意味なんだよ!!」



「そうなの?」



「そういう時もあるわね。」



それにはまた鮫島光一と一緒に笑った。
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