【完】タバコの煙を吸い込んで

Bu-cha

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その言葉に、私は山ノ内を睨み付ける。



「愛人になれってこと?」



「・・・違う。
結婚しなくてもいいから、子どもも作らなくてもいいから、俺は君と生きていきたい。」



そんな言葉を、この上等なスーツを着た男が言う。
顔も良い、金もある、権力もあるような男が、そんな言葉を簡単に言う。




「それがどんな意味か本当に分かってる?」



「分かっている。」



「アナタみたいな男が、簡単に言うような言葉ではないから。」




私がそう言うと、山ノ内が眉間にシワを寄せた・・・。
苦しそうな顔で私を見下ろしているけど、そんなのは関係ない。




「タバコ、返して。」




山ノ内は私を見下ろしながら、スーツのポケットに手を入れ・・・ゆっくりと私のタバコを入れているポーチを私に差し出してきた。




それを受け取ろうとして・・・




「・・・離してよ。」




タバコのポーチを離してくれない・・・。




「タバコを吸えばいい。
好きなだけ、吸えばいい。」




山ノ内は怖いくらい真剣な顔で、眉間にシワを寄せて、私を見詰めて・・・




「君が吹き掛ける煙を、俺は一生吸い込むから。」




そんなことを言われたら・・・




そんなことを、言われたら・・・




山ノ内の顔から目が離せなくなる・・・。





「生きていこう、一緒に・・・。
響(ひびき)ちゃん・・・。」




山ノ内が・・・




山ノ内が・・・




私を、響ちゃんと・・・




響ちゃんと、呼んだ・・・。
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