54 / 165
4
4-12
しおりを挟む
「この人に何か言ってやって欲しかったんだけど。」
店を出る時に“ママ”に文句を言う。
“ママ”が何も言わなかったから。
拓実に何も言わなかったから。
そんな私を“ママ”は真剣な顔で見詰める。
「コタちゃん、凄い良い男見付けたね。
夜の女からの毒なんて必要ないよ、この人。」
“ママ”がそう言いながら拓実を見て・・・
「強くて良い男だよ。
暴風雨だろうが、道がなかろうが、歩いていける良い男だよ。」
「豪雪でも歩けますね。
雪国で生まれ育ったので。」
「そうか!!私も!!!」
“ママ”が大笑いしながら、紙袋を拓実に渡した。
「筑前煮と酒入れといたからね!!!」
「ありがとうございます。
・・・また、来てもいいですか?」
「いいけど、別に何も言わないよ!?」
「“ママ”の顔を見に・・・。」
拓実がそう言うと、“ママ”が結構驚いた顔をして・・・私をニヤニヤしながら見た。
「良い男だね~!!
こんな小娘よりも、私の方が良い女だからね!!!」
「・・・クソババア!!!」
久しぶりにママにそう叫び、拓実の手を引き店を出た。
“ママ”の店で小さな頃から歌わせてもらっていて、“クソババア”と呼ぶのは久しぶりだった。
店を出る時に“ママ”に文句を言う。
“ママ”が何も言わなかったから。
拓実に何も言わなかったから。
そんな私を“ママ”は真剣な顔で見詰める。
「コタちゃん、凄い良い男見付けたね。
夜の女からの毒なんて必要ないよ、この人。」
“ママ”がそう言いながら拓実を見て・・・
「強くて良い男だよ。
暴風雨だろうが、道がなかろうが、歩いていける良い男だよ。」
「豪雪でも歩けますね。
雪国で生まれ育ったので。」
「そうか!!私も!!!」
“ママ”が大笑いしながら、紙袋を拓実に渡した。
「筑前煮と酒入れといたからね!!!」
「ありがとうございます。
・・・また、来てもいいですか?」
「いいけど、別に何も言わないよ!?」
「“ママ”の顔を見に・・・。」
拓実がそう言うと、“ママ”が結構驚いた顔をして・・・私をニヤニヤしながら見た。
「良い男だね~!!
こんな小娘よりも、私の方が良い女だからね!!!」
「・・・クソババア!!!」
久しぶりにママにそう叫び、拓実の手を引き店を出た。
“ママ”の店で小さな頃から歌わせてもらっていて、“クソババア”と呼ぶのは久しぶりだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる