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そして、1月1日・・・。
実家の玄関で、小太郎と真知ちゃん、そしてクソ親父が私を見送る。
ママはどうしたんだろう・・・と思ったら、紙袋を持って私に渡してきた。
「筑前煮入れといたよ!!」
それをしっかり受け取り、頷く。
その時スマホが震え確認すると、兄貴からだった。
それにも頷き、私はみんなを見る。
「じゃあ、行ってくる!!!」
ラフな格好でショートブーツに少し大きめのバッグ、それと筑前煮を入れた紙袋を持って実家を出た。
迎えに行く、私が。
ママを育ててくれた人を。
ママを説得するのにも時間が掛かってしまった。
“あのジジイはあっちが故郷だから”
そう言って、迎えに行くのを認めてくれなかった。
でも、聞いたら80歳になる爺さんだった。
クソ田舎から東京まで出て来て、またクソ田舎に戻る・・・。
遊びに来るのも一苦労なのは簡単に想像出来る。
それに・・・
私が嫌だった。
何で結婚しなかったのかは分からないけど、ママを一緒に育ててくれた人。
それは絶対に“お父さん”だから。
それは絶対に“おじいちゃん”だから。
それなのに自分の存在を今まで必死に隠してきて・・・。
クソジジイだと思った。
とんでもないクソジジイだと思った。
だから、私が迎えに行く。
ママが迎えに行かないなら、私が迎えに行く。
爺さんだろうがなんだろうが、どんな毒でも吐いて、私が迎えに行く。
実家の玄関で、小太郎と真知ちゃん、そしてクソ親父が私を見送る。
ママはどうしたんだろう・・・と思ったら、紙袋を持って私に渡してきた。
「筑前煮入れといたよ!!」
それをしっかり受け取り、頷く。
その時スマホが震え確認すると、兄貴からだった。
それにも頷き、私はみんなを見る。
「じゃあ、行ってくる!!!」
ラフな格好でショートブーツに少し大きめのバッグ、それと筑前煮を入れた紙袋を持って実家を出た。
迎えに行く、私が。
ママを育ててくれた人を。
ママを説得するのにも時間が掛かってしまった。
“あのジジイはあっちが故郷だから”
そう言って、迎えに行くのを認めてくれなかった。
でも、聞いたら80歳になる爺さんだった。
クソ田舎から東京まで出て来て、またクソ田舎に戻る・・・。
遊びに来るのも一苦労なのは簡単に想像出来る。
それに・・・
私が嫌だった。
何で結婚しなかったのかは分からないけど、ママを一緒に育ててくれた人。
それは絶対に“お父さん”だから。
それは絶対に“おじいちゃん”だから。
それなのに自分の存在を今まで必死に隠してきて・・・。
クソジジイだと思った。
とんでもないクソジジイだと思った。
だから、私が迎えに行く。
ママが迎えに行かないなら、私が迎えに行く。
爺さんだろうがなんだろうが、どんな毒でも吐いて、私が迎えに行く。
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