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「どこかに行こうとしてたんじゃないの?」
駅前まで戻る私に、この男も隣に並んで歩きだした。
「明日また行くよ。
君はどこに行くの?」
「ホテルに戻るの。
本当は上等な酒でも飲みたいくらい気分が良いけど。
1月1日、この田舎町にそんな店がないだろうしね。」
「あるよ。」
私が言った言葉に、この男がすぐにそう返事をした。
驚きこの男を見上げると、優しい顔で私を見下ろした。
「店はボロボロだけど、お酒は上等な物を揃えている。
料理もそこそこ美味しいよ。」
「1月1日なのにやってるの?」
「やってる。いつもやってる。」
それには驚いた。
こんな田舎町で、1月1日にやっているお店があるらしい。
それも上等な酒もあるらしい・・・。
普段なら絶対にしないけど、初対面の男についていってしまう・・・。
それくらいこの町は私にとって知らない物ばかりで。
それくらい、この男は良い男で。
私は、ついていってしまう・・・。
自分がこんなに軽い女だったのかと驚くくらい・・・。
ついていってしまう・・・。
駅前まで戻る私に、この男も隣に並んで歩きだした。
「明日また行くよ。
君はどこに行くの?」
「ホテルに戻るの。
本当は上等な酒でも飲みたいくらい気分が良いけど。
1月1日、この田舎町にそんな店がないだろうしね。」
「あるよ。」
私が言った言葉に、この男がすぐにそう返事をした。
驚きこの男を見上げると、優しい顔で私を見下ろした。
「店はボロボロだけど、お酒は上等な物を揃えている。
料理もそこそこ美味しいよ。」
「1月1日なのにやってるの?」
「やってる。いつもやってる。」
それには驚いた。
こんな田舎町で、1月1日にやっているお店があるらしい。
それも上等な酒もあるらしい・・・。
普段なら絶対にしないけど、初対面の男についていってしまう・・・。
それくらいこの町は私にとって知らない物ばかりで。
それくらい、この男は良い男で。
私は、ついていってしまう・・・。
自分がこんなに軽い女だったのかと驚くくらい・・・。
ついていってしまう・・・。
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