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俺は・・・固まった。
じいちゃんが持ってきた靴を見て、固まった。
俺の靴だったから・・・。
あの日、俺が履いていた靴だったから・・・。
ボロボロで、穴だらけの靴だったから・・・。
ばあちゃんはその靴を、涙を流しながら胸に抱いた・・・。
「よく歩いてきたね・・・。
あんなにクソ寒い中、この雪国の街を・・・。
たった5歳の小さな小さな男の子が・・・。
ガリガリでアザだらけで傷だらけで・・・。
よく、お母さんの手を離さずに一緒に歩いてきたね・・・。」
そう言って、震えている手でタバコを口に咥え・・・
じいちゃんがマッチで火をつけた。
このスナックのマッチを・・・。
ばあちゃんのタバコの先に・・・。
そして、ばあちゃんがゆっくりとタバコを吸って、1度ゆっくりと煙を吐き出した。
その姿が・・・凄い綺麗だと思った・・・。
「拓実、立ちな・・・歩くんだよ・・・。」
「うん・・・。」
「どんな道でも、どんな大雪でも、立って・・・歩くんだよ・・・。」
「うん・・・。」
「よく覚えておきな・・・。
私が今から穴を塞いでやるから・・・。」
そう言って、ばあちゃんがタバコを吸って・・・
ボロボロで穴だらけの小さな靴に、煙を吹き掛けた・・・。
ボロボロで穴だらけの小さな靴は、ばあちゃんが吹き掛けたタバコの煙で覆われた・・・。
「これで穴は塞がった・・・。
穴が塞がったから、今度はきっともっと歩ける・・・。
真っ直ぐ立ちな、そして真っ直ぐ歩きな・・・。」
ばあちゃんが苦しそうな顔で、でも力強い目でそう言って・・・俺は泣きながらもしっかり頷く。
そんな俺にばあちゃんは小さく笑った・・・。
「本当に泣き虫だね・・・。
そんなんじゃ好きになった女と一緒に生きていけないよ・・・。
一緒に・・・歩いていけないよ・・・。」
そう言ってから、じいちゃんを見た・・・。
じいちゃんが持ってきた靴を見て、固まった。
俺の靴だったから・・・。
あの日、俺が履いていた靴だったから・・・。
ボロボロで、穴だらけの靴だったから・・・。
ばあちゃんはその靴を、涙を流しながら胸に抱いた・・・。
「よく歩いてきたね・・・。
あんなにクソ寒い中、この雪国の街を・・・。
たった5歳の小さな小さな男の子が・・・。
ガリガリでアザだらけで傷だらけで・・・。
よく、お母さんの手を離さずに一緒に歩いてきたね・・・。」
そう言って、震えている手でタバコを口に咥え・・・
じいちゃんがマッチで火をつけた。
このスナックのマッチを・・・。
ばあちゃんのタバコの先に・・・。
そして、ばあちゃんがゆっくりとタバコを吸って、1度ゆっくりと煙を吐き出した。
その姿が・・・凄い綺麗だと思った・・・。
「拓実、立ちな・・・歩くんだよ・・・。」
「うん・・・。」
「どんな道でも、どんな大雪でも、立って・・・歩くんだよ・・・。」
「うん・・・。」
「よく覚えておきな・・・。
私が今から穴を塞いでやるから・・・。」
そう言って、ばあちゃんがタバコを吸って・・・
ボロボロで穴だらけの小さな靴に、煙を吹き掛けた・・・。
ボロボロで穴だらけの小さな靴は、ばあちゃんが吹き掛けたタバコの煙で覆われた・・・。
「これで穴は塞がった・・・。
穴が塞がったから、今度はきっともっと歩ける・・・。
真っ直ぐ立ちな、そして真っ直ぐ歩きな・・・。」
ばあちゃんが苦しそうな顔で、でも力強い目でそう言って・・・俺は泣きながらもしっかり頷く。
そんな俺にばあちゃんは小さく笑った・・・。
「本当に泣き虫だね・・・。
そんなんじゃ好きになった女と一緒に生きていけないよ・・・。
一緒に・・・歩いていけないよ・・・。」
そう言ってから、じいちゃんを見た・・・。
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