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その名刺を見ながら、少しだけゆっくりと空気を吸い込む。
俺は“小太郎”ではないけど、“小太郎”の血が流れている。
俺のじいちゃんは“小太郎”だから。
だから、俺にも“小太郎”の血が流れている。
男性の名刺から視線を移し、男性を見る。
「一度、会わせていただけませんか?」
「いいよ。
この名刺をお前に・・・山ノ内さんに渡した女に会わせてやるよ。」
その言い方には疑問を持ち男性の次の言葉を待った。
「会社を捨てられるか?
その女に会うために、会社を捨てられるか?」
「はい。俺は何もなくても歩けるので。
どんな道でも、荷物がなくても、ボロボロで穴があいている靴でも。」
「会わせるよ、鬼ババアに。」
男性が面白そうに笑いながら、そう言った。
“鬼ババア”と・・・言った。
「真知子じゃない。
あいつは誰にも名刺を渡さない・・・渡せない。
真知子が名刺を渡したのはたった1人だけ。
鬼ババアにだけ名刺を渡してた。」
俺は“小太郎”ではないけど、“小太郎”の血が流れている。
俺のじいちゃんは“小太郎”だから。
だから、俺にも“小太郎”の血が流れている。
男性の名刺から視線を移し、男性を見る。
「一度、会わせていただけませんか?」
「いいよ。
この名刺をお前に・・・山ノ内さんに渡した女に会わせてやるよ。」
その言い方には疑問を持ち男性の次の言葉を待った。
「会社を捨てられるか?
その女に会うために、会社を捨てられるか?」
「はい。俺は何もなくても歩けるので。
どんな道でも、荷物がなくても、ボロボロで穴があいている靴でも。」
「会わせるよ、鬼ババアに。」
男性が面白そうに笑いながら、そう言った。
“鬼ババア”と・・・言った。
「真知子じゃない。
あいつは誰にも名刺を渡さない・・・渡せない。
真知子が名刺を渡したのはたった1人だけ。
鬼ババアにだけ名刺を渡してた。」
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