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私は、笑ってしまった・・・。




“少しだけ”だったらしいから・・・。
勝也にとってのあの毎日は、“少しだけ”だったらしいから・・・。




でも、思い返すと・・・




確かに“少しだけ”だったのかもしれない。





放課後のあの時間・・・
勝也は“樹里ちゃんのお兄ちゃん”だった。
私もそう呼んでいたから。





まかないを見下ろしながら、勝也に言う・・・。





「私も、他のみんなと同じようなまかないでお願いします。」






顔を上げ、少し離れた所にいる勝也を見る。
勝也が困ったような顔で笑っていた・・・






そんな勝也に、笑い掛ける・・・。








「凄い・・・美味しかった・・・。」







泣きそうになったけど、意地でも泣かなかった・・・。






「凄い美味しかった・・・。
ありがとう・・・“勝也”・・・。」






それだけは伝えたかった・・・。







それだけは、伝えられて・・・安心した。
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