その理由を教えて

Bu-cha

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「俺,便所行ってくるから待ってろ。」



電車を降り,バカ龍二がトイレに行くと言い出した。



「遅刻するから先に行く。」



あたしは改札口に向かって歩き始めようとしたら、龍二から手を引かれた。



「放してよ。」



「杏、悪かった。」



龍二が暗い声を出し謝ってくる。



「杏、悪かったよ・・・。」



龍二が苦しそうな顔であたしを見詰め、また謝ってきた。



「もう二度としないで。」



あたしがそう言って終わらせようとしたら、龍二の顔が大きく歪んだ。



「誰だったらいいんだよ?」



「はあ!?そういう問題じゃないから!!」



「じゃあ、俺でも題ねぇじゃん。」



「バカ過ぎるでしょ!!
まあ・・・とりあえずもういいから。
早くトイレ行ってきてよ、待ってる。」



遅刻をするのでそう答えると、龍二があたしの手を放しトイレに入って行った。
その後ろ姿を眺めながらあたしはトイレの近くの壁に寄り掛かる。



“どうしよう・・・。”



最近何度も心の中で繰り返すこの言葉を今日も繰り返す。



そしたら、友達があたしに気付き笑顔で近付いてきた。



「杏、遅刻しちゃうよ?」



「龍二のトイレ待ち。」



「杏と龍二って本当に仲良いよね!」



「毎日喧嘩ばっかりだよ?」



あたしの返事に友達が笑いながら首を横に振った。



「普通毎日一緒に登校しないから!」



「そうなのかな・・・?」



「それはそうでしょ!!
だって毎日家にいるのも鬱陶しいくらいだし!」



「そんなものなの?」



「どこもそんなものでしょ、兄妹なんて!!」



.
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