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「どんな感覚?」
「もう二度目はない感覚・・・。」
「1度しかないやつなの?」
「1度しかない・・・。
本当は1度だってなかったはずだけど、その1度だけは起きた感覚・・・。」
「それなら2度目もあるんじゃない?
1度あったならきっと2度目もあるよ。」
「ナイんだよ・・・。
2度目は絶対にナイ・・・。
あったらいけないヤツなんだよ・・・。」
「これから人生長いんだし、2度目もきっとある~って今は信じておけば?」
あたしの言葉で龍二は口を開かなくなった。
両手で顔を覆いながら無言のままで、少し落ち着いたかな?と安心した時・・・
龍二の背中に添えていたあたしの手が小さく震えだした。
「これからまだ・・・長いよな・・・っ。
長すぎるよな・・・っっ。」
「うん、そうだよ!
まだまだ、まだまだいっっぱい長いんだし、きっと大丈夫だよ!!」
「・・・・・・っっ」
黒髪美人のお母さんがこんな時にどんな対応をするのかは分からないけれど、あたしなりに龍二のことを励ました。
泣き続ける龍二の背中を撫でながら。
「きっとまた2度目はあるし、きっと幸せな未来だってあるよ。
今は苦しいかもしれないけど、未来はきっとそうなってる~って信じようよ。」
「・・・・・・っっ」
「あたしの結婚式のスピーチをしてくれるんでしょ?
その時にはきっと龍二も幸せになってるよ。
龍二にも幸せな未来がきっと来てるよ。
だって龍二はあたしのお兄ちゃんだもん。
めちゃくちゃ大変でもあるけど、あたしにとってはめちゃくちゃ良いお兄ちゃんでもあるお兄ちゃんだもん。
絶対にお母さんが天国から見てくれてるよ。」
「・・・・・・・っっ」
「お母さんが絶対に天国から守ってくれるよ。」
「・・・・・・・っっ」
「龍二の結婚式ではあたしがスピーチしてあげるよ。
す~っっっごく感動しちゃうやつ!
龍二の良い所は妹のあたしが1番知ってるもん。
ずっと隣にいるからね。
今から話す内容考えておくから、あたしにもあんまり変な姿は見せない方が良いかもよ?
龍二の奥さんに引かれて、誓いのキスをしたのにスピーチの後に修羅場になっちゃったりしてね!」
「俺のはやらなくていい・・・。」
龍二から小さな声で拒否をされ、龍二の背中に乗せていたあたしの手は動いた。
両手を顔から離し、顔を上げた龍二は虚ろな目をしている。
その目から涙が次々と流れてきて心配になる。
これは心配になってしまう。
「俺は杏のことが嫌いだから、俺のはやらなくていい・・・。」
「そっ・・・・・か、分かった。
うん、分かった。」
あたしのことを嫌いだと言ってくる龍二があたしにもっと近付いてくる。
「杏・・・。」
虚ろな目で、でもその瞳を熱くしたような目で龍二が見詰めてくる。
「龍二・・・、え~・・・。」
身体だけではなく顔まで近付けて来て、それには苦笑いをしながら後ろに下がる。
そんなあたしのことを龍二が片手で抱き寄せくるので、両手で龍二の胸を押した。
「もう二度目はない感覚・・・。」
「1度しかないやつなの?」
「1度しかない・・・。
本当は1度だってなかったはずだけど、その1度だけは起きた感覚・・・。」
「それなら2度目もあるんじゃない?
1度あったならきっと2度目もあるよ。」
「ナイんだよ・・・。
2度目は絶対にナイ・・・。
あったらいけないヤツなんだよ・・・。」
「これから人生長いんだし、2度目もきっとある~って今は信じておけば?」
あたしの言葉で龍二は口を開かなくなった。
両手で顔を覆いながら無言のままで、少し落ち着いたかな?と安心した時・・・
龍二の背中に添えていたあたしの手が小さく震えだした。
「これからまだ・・・長いよな・・・っ。
長すぎるよな・・・っっ。」
「うん、そうだよ!
まだまだ、まだまだいっっぱい長いんだし、きっと大丈夫だよ!!」
「・・・・・・っっ」
黒髪美人のお母さんがこんな時にどんな対応をするのかは分からないけれど、あたしなりに龍二のことを励ました。
泣き続ける龍二の背中を撫でながら。
「きっとまた2度目はあるし、きっと幸せな未来だってあるよ。
今は苦しいかもしれないけど、未来はきっとそうなってる~って信じようよ。」
「・・・・・・っっ」
「あたしの結婚式のスピーチをしてくれるんでしょ?
その時にはきっと龍二も幸せになってるよ。
龍二にも幸せな未来がきっと来てるよ。
だって龍二はあたしのお兄ちゃんだもん。
めちゃくちゃ大変でもあるけど、あたしにとってはめちゃくちゃ良いお兄ちゃんでもあるお兄ちゃんだもん。
絶対にお母さんが天国から見てくれてるよ。」
「・・・・・・・っっ」
「お母さんが絶対に天国から守ってくれるよ。」
「・・・・・・・っっ」
「龍二の結婚式ではあたしがスピーチしてあげるよ。
す~っっっごく感動しちゃうやつ!
龍二の良い所は妹のあたしが1番知ってるもん。
ずっと隣にいるからね。
今から話す内容考えておくから、あたしにもあんまり変な姿は見せない方が良いかもよ?
龍二の奥さんに引かれて、誓いのキスをしたのにスピーチの後に修羅場になっちゃったりしてね!」
「俺のはやらなくていい・・・。」
龍二から小さな声で拒否をされ、龍二の背中に乗せていたあたしの手は動いた。
両手を顔から離し、顔を上げた龍二は虚ろな目をしている。
その目から涙が次々と流れてきて心配になる。
これは心配になってしまう。
「俺は杏のことが嫌いだから、俺のはやらなくていい・・・。」
「そっ・・・・・か、分かった。
うん、分かった。」
あたしのことを嫌いだと言ってくる龍二があたしにもっと近付いてくる。
「杏・・・。」
虚ろな目で、でもその瞳を熱くしたような目で龍二が見詰めてくる。
「龍二・・・、え~・・・。」
身体だけではなく顔まで近付けて来て、それには苦笑いをしながら後ろに下がる。
そんなあたしのことを龍二が片手で抱き寄せくるので、両手で龍二の胸を押した。
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