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「何すんの~?やだ~!」
明るい声でこの変な空気を壊そうとするけれど、あたしの背中に回っている龍二の手は更に力が込められて・・・
「俺は・・・お前が嫌いだ・・・」
「それなら離してよ~。」
凄い力であたしの身体を閉じ込めて来て、龍二の顔があたしの顔とすぐについてしまうくらい近くに来た。
“やめて、キモいって。”
そう口を開こうとした時、見えた。
虚ろな目をしている龍二の顔に沢山の絆創膏が貼られているのがぼんやりとだけど、見えた。
最近昔の夢ばかり見るようになったからかもしれない。
”お母さん・・・。”
お母さんのことを呼び、お母さんの顔を思い浮かべる。
“私はどうしたら良いんだろう・・・。”
死んでしまったお母さんに心の中で問い掛ける。
でも勿論何の返事もなく・・・。
さっきよりもハッキリと見えるような気がする絆創膏に少しだけ指先で触れた。
「キスしたいの?」
聞いたあたしに龍二は首を横に小さく振った。
「したくない・・・。
妹なんかとキスなんてしたくない・・・。」
「うん、私だってそうだからね?」
「俺は杏のことが嫌いだし、キスなんてしたくない・・・。」
そう言いながらも龍二はあたしの唇に視線を移した。
「だからこれは、キスじゃない・・・。」
そう言われ・・・
「杏・・・。」
めちゃくちゃ情緒不安定な兄に、仕方がないから頷いた。
お兄ちゃんとこんなキモいことなんてしたくないけど、龍二に見える沢山の絆創膏をした顔は凄く“好き”だと思って。
さっきよりももっと濃くなった絆創膏を見詰めながら、龍二のことを見詰めた。
そして、さっきよりも苦しそうな顔をしながらあたしの唇にソッと唇をつけてきた龍二のことを見て、“そんなに嫌ならしなければ良いのに”と思った。
そう思った瞬間・・・
龍二の舌があたしの唇を割ってきて・・・
一瞬で、龍二に深い“キス”をされる。
龍二の舌があたしの舌を求めるように動いてくるので、あたしは龍二に自ら舌を差し出した。
キモいとも思うけれど、やっぱり龍二の“この顔”は好きだった。
みんなのように格好良い顔とかそんな風には思わないけれど、あたしは“この顔”が大好きだった。
”この顔”が大好きなことを、思い出した。
「ハァッ・・・杏・・・・っ」
だから、もっと心配になった。
龍二の“この顔”も大好きだし、私のお兄ちゃんである龍二のことも大好きなことをこんなにも思い出してしまったから、もっともっと心配になる。
こんな龍二の姿には心配になってしまう。
”キモい”という気持ちはなくなり、なんでか龍二の舌にあたしも必死に応えてしまう。
「杏・・・ハァッ・・・・杏・・・・」
龍二に苦しいくらい強く抱き締められ、お互いに何度も角度を変え、深い“キス”を繰り返した。
.
明るい声でこの変な空気を壊そうとするけれど、あたしの背中に回っている龍二の手は更に力が込められて・・・
「俺は・・・お前が嫌いだ・・・」
「それなら離してよ~。」
凄い力であたしの身体を閉じ込めて来て、龍二の顔があたしの顔とすぐについてしまうくらい近くに来た。
“やめて、キモいって。”
そう口を開こうとした時、見えた。
虚ろな目をしている龍二の顔に沢山の絆創膏が貼られているのがぼんやりとだけど、見えた。
最近昔の夢ばかり見るようになったからかもしれない。
”お母さん・・・。”
お母さんのことを呼び、お母さんの顔を思い浮かべる。
“私はどうしたら良いんだろう・・・。”
死んでしまったお母さんに心の中で問い掛ける。
でも勿論何の返事もなく・・・。
さっきよりもハッキリと見えるような気がする絆創膏に少しだけ指先で触れた。
「キスしたいの?」
聞いたあたしに龍二は首を横に小さく振った。
「したくない・・・。
妹なんかとキスなんてしたくない・・・。」
「うん、私だってそうだからね?」
「俺は杏のことが嫌いだし、キスなんてしたくない・・・。」
そう言いながらも龍二はあたしの唇に視線を移した。
「だからこれは、キスじゃない・・・。」
そう言われ・・・
「杏・・・。」
めちゃくちゃ情緒不安定な兄に、仕方がないから頷いた。
お兄ちゃんとこんなキモいことなんてしたくないけど、龍二に見える沢山の絆創膏をした顔は凄く“好き”だと思って。
さっきよりももっと濃くなった絆創膏を見詰めながら、龍二のことを見詰めた。
そして、さっきよりも苦しそうな顔をしながらあたしの唇にソッと唇をつけてきた龍二のことを見て、“そんなに嫌ならしなければ良いのに”と思った。
そう思った瞬間・・・
龍二の舌があたしの唇を割ってきて・・・
一瞬で、龍二に深い“キス”をされる。
龍二の舌があたしの舌を求めるように動いてくるので、あたしは龍二に自ら舌を差し出した。
キモいとも思うけれど、やっぱり龍二の“この顔”は好きだった。
みんなのように格好良い顔とかそんな風には思わないけれど、あたしは“この顔”が大好きだった。
”この顔”が大好きなことを、思い出した。
「ハァッ・・・杏・・・・っ」
だから、もっと心配になった。
龍二の“この顔”も大好きだし、私のお兄ちゃんである龍二のことも大好きなことをこんなにも思い出してしまったから、もっともっと心配になる。
こんな龍二の姿には心配になってしまう。
”キモい”という気持ちはなくなり、なんでか龍二の舌にあたしも必死に応えてしまう。
「杏・・・ハァッ・・・・杏・・・・」
龍二に苦しいくらい強く抱き締められ、お互いに何度も角度を変え、深い“キス”を繰り返した。
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