174 / 275
11
11-12
しおりを挟む
そして、7月に入りすぐだった・・・。
「父さん!今、母さん来るから!!」
病院のベッドの上、じいちゃんにお父さんが大きな声で言っている。
じいちゃんが、救急車で運ばれた。
小学校にいる時に、先生が慌てた様子で言ってきた。
地域にある小さな病院ではなく、少し離れた所にある大きめな病院。
お母さんの妊娠の検査でも何度かついていったことがあった病院。
俺は先生の呼び掛けを無視し、裸足のまま走り出した。
死ぬ気で走り着いた病院、入ってすぐにじいちゃんの名前を叫んだら、女の人が走りながら連れてきてくれた。
じいちゃんは口に何かをつけられていて、口だけじゃなくて胸とか腕とかにも色々つけられていて・・・
怖くなった・・・。
怖くなった・・・。
怖くなって、扉の所から動けなくなった・・・。
「一成!おじいちゃんに、何か言ってあげて!!」
お母さんに腕を引っ張られ、じいちゃんの前に立たされた。
じいちゃんの目だけが少し動き、俺を見たのが分かった。
でも、俺は怖くて何も言えなかった・・・。
怖くて怖くて・・・
何も、言えなかった時・・・
口に何かつけられているじいちゃんが、小さく笑った。
いつもよりもっと震える手で、ゆっくりと口についているのを外すと・・・
いつもよりもっと小さな声で、囁くように、言った・・・
「酒は・・・飲むな、一成・・・。」
そんなことを言われ・・・俺は、頷いた。
それに安心したように、じいちゃんが少し笑う・・・。
「“お母さん”は・・・?」
「お義父さん!もうすぐですから!!」
「・・・早く、来てくれないと・・・俺は“お母さん”を見ながらじゃないと・・・死ねない・・・」
じいちゃんは・・・それを言った後、何も喋らなくなって・・・
お父さんとお母さんの大きな声と、機械の音が、聞こえていて・・・
どれくらいそうしていたか、分からないけど・・・
「お父さん!!!」
と、急に叫び声が聞こえた。
振り向くと、オバサンだった。
お父さんのお姉さん、お父さんの実家の近くに住むオバサン。
そのオバサンが勢い良く入ってきて、じいちゃんに何やら叫んでいた。
「父さん!今、母さん来るから!!」
病院のベッドの上、じいちゃんにお父さんが大きな声で言っている。
じいちゃんが、救急車で運ばれた。
小学校にいる時に、先生が慌てた様子で言ってきた。
地域にある小さな病院ではなく、少し離れた所にある大きめな病院。
お母さんの妊娠の検査でも何度かついていったことがあった病院。
俺は先生の呼び掛けを無視し、裸足のまま走り出した。
死ぬ気で走り着いた病院、入ってすぐにじいちゃんの名前を叫んだら、女の人が走りながら連れてきてくれた。
じいちゃんは口に何かをつけられていて、口だけじゃなくて胸とか腕とかにも色々つけられていて・・・
怖くなった・・・。
怖くなった・・・。
怖くなって、扉の所から動けなくなった・・・。
「一成!おじいちゃんに、何か言ってあげて!!」
お母さんに腕を引っ張られ、じいちゃんの前に立たされた。
じいちゃんの目だけが少し動き、俺を見たのが分かった。
でも、俺は怖くて何も言えなかった・・・。
怖くて怖くて・・・
何も、言えなかった時・・・
口に何かつけられているじいちゃんが、小さく笑った。
いつもよりもっと震える手で、ゆっくりと口についているのを外すと・・・
いつもよりもっと小さな声で、囁くように、言った・・・
「酒は・・・飲むな、一成・・・。」
そんなことを言われ・・・俺は、頷いた。
それに安心したように、じいちゃんが少し笑う・・・。
「“お母さん”は・・・?」
「お義父さん!もうすぐですから!!」
「・・・早く、来てくれないと・・・俺は“お母さん”を見ながらじゃないと・・・死ねない・・・」
じいちゃんは・・・それを言った後、何も喋らなくなって・・・
お父さんとお母さんの大きな声と、機械の音が、聞こえていて・・・
どれくらいそうしていたか、分からないけど・・・
「お父さん!!!」
と、急に叫び声が聞こえた。
振り向くと、オバサンだった。
お父さんのお姉さん、お父さんの実家の近くに住むオバサン。
そのオバサンが勢い良く入ってきて、じいちゃんに何やら叫んでいた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
サディスティックなプリテンダー
櫻井音衣
恋愛
容姿端麗、頭脳明晰。
6か国語を巧みに操る帰国子女で
所作の美しさから育ちの良さが窺える、
若くして出世した超エリート。
仕事に関しては細かく厳しい、デキる上司。
それなのに
社内でその人はこう呼ばれている。
『この上なく残念な上司』と。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
【完全版】ホリカヨは俺様上司を癒したい
森永 陽月
恋愛
堀井嘉与子(ホリイカヨコ)は、普段は『大奥』でオハシタとして働く冴えないOLだが、副業では自分のコンプレックスを生かして働こうとしていた。
そこにやってきたのは、憧れの郡司透吏部長。
『郡司部長、私はあなたを癒したいです』
※他の投稿サイトにも載せています。
体育館倉庫での秘密の恋
狭山雪菜
恋愛
真城香苗は、23歳の新入の国語教諭。
赴任した高校で、生活指導もやっている体育教師の坂下夏樹先生と、恋仲になって…
こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載されてます。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
取引先のエリート社員は憧れの小説家だった
七転び八起き
恋愛
ある夜、傷心の主人公・神谷美鈴がバーで出会った男は、どこか憧れの小説家"翠川雅人"に面影が似ている人だった。
その男と一夜の関係を結んだが、彼は取引先のマネージャーの橘で、憧れの小説家の翠川雅人だと知り、美鈴も本格的に小説家になろうとする。
恋と創作で揺れ動く二人が行き着いた先にあるものは──
契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!
如月 そら
恋愛
「それなら、いっそ契約婚でもするか?」
そう言った目の前の男は椿美冬の顔を見てふっと余裕のある笑みを浮かべた。
──契約結婚なのだから。
そんな風に思っていたのだけれど。
なんか妙に甘くないですか!?
アパレルメーカー社長の椿美冬とベンチャーキャピタルの副社長、槙野祐輔。
二人の結婚は果たして契約結婚か、溺愛婚か!?
※イラストは玉子様(@tamagokikaku)イラストの無断転載複写は禁止させて頂きます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる