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商店街の人達に「夏夜か!大きくなったな!」と沢山声を掛けられたけれど、俺は呆然としながら商店街の反対側のアーチへと歩く。
「最後の最後に何で1人で帰るんだよ・・・。」
商店街を出たタイミングでそう呟くと、すぐそこにあった。
小さな小さな鳥居があった。
それに気付いた時・・・
ネコがいた。
あの不細工なネコ、俺に毎日ガンを飛ばしてきたネコ。
死んだと思っていたあの不細工なネコが鳥居の前で座り、やっぱり俺にガンを飛ばしてきている。
「お前、死んだんじゃなかったのかよ。
カヤが探してたぞ?」
少し遠くから声を掛けると、不細工なネコがゆっくりと腰を上げ神社の中に歩いていった。
それを呆然と眺めていると・・・
不細工なネコがチラッと俺を振り返り・・・
ス─────....と、消えた。
信じられないことに消えた。
動悸が激しくなっていき、本気で走り火照っていた身体の熱がスッと消え去り身体中が冷たくなっていく。
手足も固まっているかのように冷たく感じるのに、俺の足が無意識に神社の中へと向かった。
まるで自分の足ではないかのように、勝手に進んでいく。
小さな社務所の前も通り過ぎ、本殿も通り過ぎ、そして・・・
神社の裏へ。
そしたら、いた。
カヤがいた。
神社の裏に立ち、両手を合わせているカヤがいた。
会わせてくれたのだと分かった。
あの不細工なネコが、今度は俺にカヤを会わせてくれたのだと分かった。
ネコは大嫌いだけどあの不細工なネコに感謝をしながら口を開く。
「カヤ。」
俺と同じ名前の、俺の“本当に好きな女の子”の名前を呼んだ。
「最後の最後に何で1人で帰るんだよ・・・。」
商店街を出たタイミングでそう呟くと、すぐそこにあった。
小さな小さな鳥居があった。
それに気付いた時・・・
ネコがいた。
あの不細工なネコ、俺に毎日ガンを飛ばしてきたネコ。
死んだと思っていたあの不細工なネコが鳥居の前で座り、やっぱり俺にガンを飛ばしてきている。
「お前、死んだんじゃなかったのかよ。
カヤが探してたぞ?」
少し遠くから声を掛けると、不細工なネコがゆっくりと腰を上げ神社の中に歩いていった。
それを呆然と眺めていると・・・
不細工なネコがチラッと俺を振り返り・・・
ス─────....と、消えた。
信じられないことに消えた。
動悸が激しくなっていき、本気で走り火照っていた身体の熱がスッと消え去り身体中が冷たくなっていく。
手足も固まっているかのように冷たく感じるのに、俺の足が無意識に神社の中へと向かった。
まるで自分の足ではないかのように、勝手に進んでいく。
小さな社務所の前も通り過ぎ、本殿も通り過ぎ、そして・・・
神社の裏へ。
そしたら、いた。
カヤがいた。
神社の裏に立ち、両手を合わせているカヤがいた。
会わせてくれたのだと分かった。
あの不細工なネコが、今度は俺にカヤを会わせてくれたのだと分かった。
ネコは大嫌いだけどあの不細工なネコに感謝をしながら口を開く。
「カヤ。」
俺と同じ名前の、俺の“本当に好きな女の子”の名前を呼んだ。
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