【完】大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド(他サイトカットページ掲載済)

Bu-cha

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なんてことには、ならなかった!!!!





翌日





「のんちゃん、何かやろうか?」



右隣に座る飯田さんが聞いてくる。
月末の忙しい時なのでありがたい。



「これ、お願いできますか?」



「これ・・・か。
これなら新卒の子にも出来るよ。
僕から説明してもいい?」



「ありがとうございます!」




処理能力を見て優秀な人だと思っていたけど、そこにやる気が加わり物凄く優秀な人に変貌した。




さらに・・・




隣に座る若い子2人とも、楽しそうに会話をしながら教えていて・・・





まだ1ヶ月も経っていないのに、4月上旬の頃とは別人になっている・・・。





月末だけど今日も早く帰れそうだな・・・と、何も予定がなくなってしまったことに寂しさを感じる。





あの日々を、恋愛経験が何もなかったわたしにとっては、楽しすぎて、幸せすぎたあの日々を思い出しそうになり・・・





心を覆うプライドが、慌ててそれを溢れないようにしてくれた。





「飯田さん、また“shu-”の写真増えてないですか~?」




お昼休み直前、すっかり仲良くなっている飯田さんと若い子2人が、飯田さんのデスクで盛り上がっている。




「僕ね、“shu-”に会ったことあるんだよ!」



「え!!!??そうなんですか!?いつ!?」



「本当につい最近、今月の半ば。
僕の家の近くでさ、出勤前に会って。
テレビで見るより遥かに可愛かった!」



「いいな~!!私も会いたい!!
あんなに可愛いのに、すっっっごいイケメンだし!!!」



「そうだよね!?ほら、その時の画像も写真にして、飾ってる。」



「本当だ!!!“shu-”の伝説の男装!!!」




その会話に少し興味を引かれ、わたしも飯田さん達の方を見る。





「“shu-”男の子の格好したの?」



「和先輩、知らないんですか!?」



「最近テレビも見てないし、スマホも見てなくて・・・」



「すごい話題になりましたし、今でもまだ話題になってますよ!?
ドラマみたいでしたもん!!
これです、“shu-”の伝説の男装!!」



「・・・あ、本当だ、格好いいね!!」




女の子の格好も可愛かったけど、男の子の格好は凄く凄く格好良かった。





あの大きな人、これ見たのかな・・・
“shu-”が男の子の格好して、ショック受けたのかな・・・





そんなことを思い出してしまって、





わたしの心が・・・





慌てて・・・






その時、経理部の扉がノックされ勢いよく、開いた。





振り返ったら・・・・





青田さんが、いた。




驚いたけど、昨日の会議室でのことを思い出して・・・すぐに目を逸らした。




なのに・・・




「水沢さん!!!昼飯一緒に食べよう!!!!」 




と、大声で言ってきて・・・





あまりに衝撃的な一言に、わたしは目を逸らしたまま、固まった。
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