【完】大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド(他サイトカットページ掲載済)

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宗君の言葉に、健吾さんが停止した。



「・・・なんで知ってんの？」



「和さんから聞いた。」



「和ちゃん！これは・・・その、あれだよ・・・あの～・・・」



こんなに慌てている健吾さんを初めて見て、わたしは笑が止まらなくなる。



「しゅうもなんか言えよ！」



「言っていいの？あの気持ち悪いこと。」



「そこは言うなよ！！！！」



また兄弟喧嘩が始まり、わたしはそれを楽しく見ていた。



健吾さんの初恋の人は、宗君だったらしい。
この格好いい、可愛い男の子を見ながら、「中学1年の頃から可愛かったんだろうな」と、仕方ない気持ちになった。



「春に夏生と俺が再会した時も、俺が夏生の家にいた金曜日は大急ぎで帰ってきたしね？」



わたしは宗君の話に、頭を一気に回転させる。



「俺が夏生にプロポーズしたのがテレビで流れた時なんて、“失恋した”って大騒ぎして会社まで早退して実家に来ちゃうしね！」



と、大笑いしながら、まだ健吾さんに抱き付いていて・・・。



「仕方ねーだろ！ショックだったんだよ！！
分かってはいたけど、よりにもよって、なんで俺にソックリな夏生なんだよ！！」



と、2人で賑やかにしている・・・。




わたしは、また、笑う。
涙が少しだけ、出てきたけど。




間違えてなかった・・・。




わたしは、間違えてなかったんだ・・・。




この大きな人は、ちゃんと、わたしを見てくれていたんだ・・・。