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そんな幸せな暮らしをしていた。
幸せで幸せで、このままこの時間の中を生きていたいと思うくらい幸せな時間を過ごしていて・・・。
そして、二十歳の誕生日。
平日だったのに、お父さんはまだ会社に行っていなかった。
いつもは武蔵よりも少し早く家を出ているのに、今日はまだ家にいて・・・。
そんなお父さんから書斎に呼び出された。
そして・・・
そして・・・
「小町の婚約者が決まった。」
そう、告げられた・・・。
今の時代、二十歳なんてまだまだ若いのに。
まだ、若いのに・・・。
もう決まってしまった・・・。
婚約者が決まってしまった・・・。
武蔵の姿を思い出す・・・。
思い浮かべてしまう・・・。
でも・・・
でも・・・
お父さんを見詰め返した。
「分かった。」
私は加賀製薬の社長の娘。
加賀の本家には不思議と女の子しか産まれない。
社長に就任するのは必ず婿養子になってしまう。
そうやって代々受け継がれてきた会社。
そうやって、日本の製薬業界を引っ張ってきた会社。
私は、そんな加賀製薬の一人娘。
「良く育ってるな、状態が良い。」
突然、お父さんがそんなことを言って珍しく小さく笑った。
小さく笑いながら持っていた紙を私に渡してきた。
その紙を受け取り、見てみた・・・。
『釣書』とか書かれていて・・・
書かれていて・・・
そこには・・・
そこには・・・
武蔵の名前が書かれていた・・・。
“矢田武蔵”と・・・。
私の大好きな人の名前が、書かれていた・・・。
幸せで幸せで、このままこの時間の中を生きていたいと思うくらい幸せな時間を過ごしていて・・・。
そして、二十歳の誕生日。
平日だったのに、お父さんはまだ会社に行っていなかった。
いつもは武蔵よりも少し早く家を出ているのに、今日はまだ家にいて・・・。
そんなお父さんから書斎に呼び出された。
そして・・・
そして・・・
「小町の婚約者が決まった。」
そう、告げられた・・・。
今の時代、二十歳なんてまだまだ若いのに。
まだ、若いのに・・・。
もう決まってしまった・・・。
婚約者が決まってしまった・・・。
武蔵の姿を思い出す・・・。
思い浮かべてしまう・・・。
でも・・・
でも・・・
お父さんを見詰め返した。
「分かった。」
私は加賀製薬の社長の娘。
加賀の本家には不思議と女の子しか産まれない。
社長に就任するのは必ず婿養子になってしまう。
そうやって代々受け継がれてきた会社。
そうやって、日本の製薬業界を引っ張ってきた会社。
私は、そんな加賀製薬の一人娘。
「良く育ってるな、状態が良い。」
突然、お父さんがそんなことを言って珍しく小さく笑った。
小さく笑いながら持っていた紙を私に渡してきた。
その紙を受け取り、見てみた・・・。
『釣書』とか書かれていて・・・
書かれていて・・・
そこには・・・
そこには・・・
武蔵の名前が書かれていた・・・。
“矢田武蔵”と・・・。
私の大好きな人の名前が、書かれていた・・・。
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