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武蔵を見送った後、長い長い廊下を歩きながらスマホを耳に当てる。
少し長めに着信音が鳴った後、「もしもし・・・」といつもより低くて眠そうな声が。
「隼人、おはよう。」
『おはようなんて時間かよ・・・。
まだ・・・5時半、普通寝てるだろ・・・。』
「そうなの?武蔵はいつもこの時間には会社に行くよ?」
『あいつ・・・頑張るな~・・・。
天才も努力しての天才なんだろうな~・・・。』
「お父さんは5時には会社に行ってるけど。」
『あの人は、居候の社員が5時半に屋敷を出るのに、自分が後から行くわけにいかないような人だからな。』
「そうなんだ・・・。」
私はそういうことも分からなくて。
私は、色々なことが分からなくて。
もう女子高生でもないのに、色々なことが分からなくて。
本当は、もっともっと隼人に色々なことを教えてもらいたいけど・・・
「隼人、私・・・婚約者が決まった。」
『だろうな、小町も二十歳だしな。
誰かは聞かないでおく、俺は相川薬品の人間でもあるから。』
「うん・・・。
それで・・・婚約者も決まったし、お父さんが了承しているとはいえ他の男の人の部屋に行くのは良くないだろうから、今日から行かない・・・。」
『その方がいいな。
でも、勉強は止めるなよ?』
それを言われてしまい、私は苦笑いをするしかなくて。
苦笑いをしながら自分の部屋の扉の取っ手に手を掛けた。
「これからどうやって勉強しよう・・・。
どうやったら女子大生から女になれるのかな・・・。
私も・・・姫みたいにお父さんの会社でバイトしようかな・・・。」
『バイトか・・・。』
隼人が言葉を切って、少しだけ無言になった。
次の言葉を待ちながら・・・何気なく隣の部屋の武蔵の部屋・・・その扉を見た。
『でも、小町のお父さんの会社には天才がいるんだろ?』
「そうだよ?」
『あいつまだ25歳だし、お前がいると迷惑になるからそれは止めておけよ。』
「なにそれ?」
私が武蔵のいる会社でバイトをすると迷惑になる・・・。
何故か隼人にそう言われ、それにはムカつき・・・その勢いのまま武蔵の部屋の扉を開けてしまった・・・。
初めて・・・
初めて・・・
開けてしまった・・・。
少し長めに着信音が鳴った後、「もしもし・・・」といつもより低くて眠そうな声が。
「隼人、おはよう。」
『おはようなんて時間かよ・・・。
まだ・・・5時半、普通寝てるだろ・・・。』
「そうなの?武蔵はいつもこの時間には会社に行くよ?」
『あいつ・・・頑張るな~・・・。
天才も努力しての天才なんだろうな~・・・。』
「お父さんは5時には会社に行ってるけど。」
『あの人は、居候の社員が5時半に屋敷を出るのに、自分が後から行くわけにいかないような人だからな。』
「そうなんだ・・・。」
私はそういうことも分からなくて。
私は、色々なことが分からなくて。
もう女子高生でもないのに、色々なことが分からなくて。
本当は、もっともっと隼人に色々なことを教えてもらいたいけど・・・
「隼人、私・・・婚約者が決まった。」
『だろうな、小町も二十歳だしな。
誰かは聞かないでおく、俺は相川薬品の人間でもあるから。』
「うん・・・。
それで・・・婚約者も決まったし、お父さんが了承しているとはいえ他の男の人の部屋に行くのは良くないだろうから、今日から行かない・・・。」
『その方がいいな。
でも、勉強は止めるなよ?』
それを言われてしまい、私は苦笑いをするしかなくて。
苦笑いをしながら自分の部屋の扉の取っ手に手を掛けた。
「これからどうやって勉強しよう・・・。
どうやったら女子大生から女になれるのかな・・・。
私も・・・姫みたいにお父さんの会社でバイトしようかな・・・。」
『バイトか・・・。』
隼人が言葉を切って、少しだけ無言になった。
次の言葉を待ちながら・・・何気なく隣の部屋の武蔵の部屋・・・その扉を見た。
『でも、小町のお父さんの会社には天才がいるんだろ?』
「そうだよ?」
『あいつまだ25歳だし、お前がいると迷惑になるからそれは止めておけよ。』
「なにそれ?」
私が武蔵のいる会社でバイトをすると迷惑になる・・・。
何故か隼人にそう言われ、それにはムカつき・・・その勢いのまま武蔵の部屋の扉を開けてしまった・・・。
初めて・・・
初めて・・・
開けてしまった・・・。
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