【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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「良いことも悪いことも世の中の何に対しても、年齢や性別もどんな血が入っていようと名前も関係ないんですよ。
大切なのはどうやって育てられたかです。」



小町が30歳になり、10月・・・。
あと僅かで立冬の日を迎える直前、経理部に配属されている小町の後輩の真坂さんから飲みに誘われた。



小町と仲が良いのは聞いていたので誘いに乗ると、真坂さんがそんなことを言った。



その言葉には救われるような思いだった。



もう、戦いは終わりの時を迎えようとしている・・・。



あと約1ヶ月で、終わる・・・。



選ばれていない・・・。



俺はまだ選ばれていない・・・。



新薬はいくつか開発をした・・・。



社内だけではなく、日本だけでもなく、世界でも注目されている薬だってある・・・。



どんなに一刀を極めても俺は選ばれていない・・・。



小池さんから相談された話を聞いてそれも納得した。
小池さんから出て来た話は驚く話で。
隼人さんだった・・・。
小町の元婚約者の隼人さんの話だった・・・。



あの人は相川薬品の一人娘の婿養子になった。
女性を好きになれないはずの隼人さんが、婿養子になった。



事実婚ではあるけど、隼人さんは相川薬品の次期社長になる。



そんな隼人さんが戦っている。
加賀製薬に戦を仕掛けてきている。
とても褒められたやり方ではなく、これには少し悩んだ。
でも・・・そういう人が小町の元婚約者だった。



どんな武器でも戦い、勝ち取るためなら何でも出来る人・・・。



俺はそんな風にはなれないから・・・。



俺は“薬を創る”、この一刀しか極められないから・・・。



俺は宮本武蔵のように多才な人間にはなれなかったから・・・。



そう思い苦しんでいた俺に、天野さんの言葉は響いた・・・。
不器用な俺の器にとても綺麗に響いた・・・。



俺は育てられた・・・。
父さんから強く育てられた・・・。
一刀を極められる人間に育てられた・・・。



戦が終わるその時まで・・・。



その瞬間まで戦える人間に育てられた・・・。
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