102 / 295
6
6-22
しおりを挟む
お兄ちゃんがそう言ったかと思ったら・・・
私のことを少し長めに見てきた・・・。
お兄ちゃんもある程度なら見える・・・。
それに少しだけ緊張していると、お兄ちゃんが口を開いた。
「もしかしてガンガン攻めてきてるのって、その人事部長代理の男か!!!」
「・・・うん。」
私の返事に大満足そうな顔をして笑っているお兄ちゃん・・・。
「まだ大学生だったけど、良さそうな奴だったよ。
なにより、あの人の仲間に悪い奴は絶対にいないしな。」
お兄ちゃんがそう言うので、今度は私が口を開いた。
「あの派遣さん、“私”のことを知ってる人なんだよね。
私が人間なのか猿なのかよく分からない生き物だったのを、知ってるはずの人なんだよね。」
真面目な顔になったお兄ちゃんに笑い掛ける。
「猿だった時の“私”のことは、当たり前だけど女として好きじゃなかったよ。
バカにしたような顔で笑ってきた。
あの人、“私”のことをバカにしたような顔で笑ってきた。」
少しだけ泣きそうになって、慌てて下を向いた。
「9年ぶりなのかな?
9年ぶりに会ったけど、“私”に気付かなかった。
“私”のことを忘れてた。
欠けた前歯を昨日見せたのに、それでも思い出してくれなかった。」
私のことを少し長めに見てきた・・・。
お兄ちゃんもある程度なら見える・・・。
それに少しだけ緊張していると、お兄ちゃんが口を開いた。
「もしかしてガンガン攻めてきてるのって、その人事部長代理の男か!!!」
「・・・うん。」
私の返事に大満足そうな顔をして笑っているお兄ちゃん・・・。
「まだ大学生だったけど、良さそうな奴だったよ。
なにより、あの人の仲間に悪い奴は絶対にいないしな。」
お兄ちゃんがそう言うので、今度は私が口を開いた。
「あの派遣さん、“私”のことを知ってる人なんだよね。
私が人間なのか猿なのかよく分からない生き物だったのを、知ってるはずの人なんだよね。」
真面目な顔になったお兄ちゃんに笑い掛ける。
「猿だった時の“私”のことは、当たり前だけど女として好きじゃなかったよ。
バカにしたような顔で笑ってきた。
あの人、“私”のことをバカにしたような顔で笑ってきた。」
少しだけ泣きそうになって、慌てて下を向いた。
「9年ぶりなのかな?
9年ぶりに会ったけど、“私”に気付かなかった。
“私”のことを忘れてた。
欠けた前歯を昨日見せたのに、それでも思い出してくれなかった。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる