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それには、小さく笑いながら振り向いた。



思い出したらしい。
やっと、“私”を思い出したらしい。
ここまでされて、やっと思い出せたらしい。



まだ股関を抑えながら苦しんでいるこの人が、それでも私を睨み付けてきた。



恋も愛もなくなった目で、睨み付けてきた。



「コレ・・・マジで使い物にならなかったらどうするんだよ・・・。」



そんな目でこんなことを言ってきた。



恋も愛もなくなった、“私”を睨み付けるだけの目で。



だからそんなこの人に、答えた。



「私に拳(けん)のソレを使われることはないから、そんなの知らない。
他の女にヨシヨシして慰めて貰えばいいんじゃない?」



.
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