【完】拳に愛を込めて(カットページ掲載済2023.4.30、詳細は内容欄に記載)

Bu-cha

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黒い手鏡から視線を移してお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんは優しい笑顔で私を見下ろし・・・口を開いた。



「追究すればいいだろ。
今度は女の子を。」



お兄ちゃんがそう言いながら、私の3センチくらいしかない髪の毛に少しだけ触れた。



「前を向いてろ、妙子。
下なんか向いてたら何も見えないだろ。
どんなに苦しくても痛くても悔しくても、泣く時でも必ず前を向いてろ。
先手を打つ必要はない。守る為に戦え。」



「何を・・守るの?
私は女の子になって何を守るの?」



「そいつとの仲だな。
女の子になったお前で会いに行って、仲直りして貰えよ。」



そう言った・・・。



お兄ちゃんがそう言った・・・。



いつも私を導くようなお兄ちゃんが、そう言った・・・。



拳からのお土産の黒い手鏡を握り締める・・・。



女の子になる・・・。



私は女の子になる・・・。



そして、“女の子らしく”を追究する・・・。



拳がビックリするくらいの“女の子らしく”を・・・。



私から話し掛けるような先手は打てないだろうけど・・・。



でも、高校2年生の拳が大学生になって東京に戻ってきた時・・・



その時・・・



近所で偶然にも会った時・・・



ビックリして・・・



思わず声を掛けてしまうくらい・・・



それくらい・・・



私は“女の子らしく”なる・・・。



追究する・・・。



拳の為に・・・。



拳の為だけに・・・。



拳と仲直りする為だけに・・・。



“女の子らしく”を追究する・・・。
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