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そして、入社から約半年後・・・
「妙子ちゃん、次の採用活動やってみようか。」
副社長室で小町さんが可愛らしく笑いながらそう言ってきた。
そんな小町さんを秘書の相川さんが凝視している。
小町さんがここまで可愛らしく笑うのは私の前でだけらしいから。
「優秀な派遣さんに来て貰えることになったから、その方の補佐として。
それとその方から色々と勉強して欲しいから面接に同席してね。」
「はい!!」
元気に返事だけはしておいた。
微笑みながら、返事だけは。
「詳しくは派遣さんから教えて貰ってね?」
小町さんが可愛らしく笑った後、紙袋を私に差し出してきた。
「妙子ちゃん、お昼に唐揚げ食べないかな?
今日は揚げすぎて余っちゃって。」
それには一瞬揺れ動いたけど・・・
「めちゃくちゃ食べたい気持ちはあるんですけど、私唐揚げは苦手で!!」
唐揚げは苦手だった。
あんなに大好きだった唐揚げが苦手になった。
拳のめちゃくちゃ美人な彼女が作るめちゃくちゃ美味しい唐揚げの話を聞いて。
苦手になった。
“苦しい手”と書いて、苦手になった。
攻撃してくるから。
あの日から随分経ったのに、まだ私を攻撃してくるから。
二度と見たくもないくらい、苦手になった・・・。
「妙子ちゃん、次の採用活動やってみようか。」
副社長室で小町さんが可愛らしく笑いながらそう言ってきた。
そんな小町さんを秘書の相川さんが凝視している。
小町さんがここまで可愛らしく笑うのは私の前でだけらしいから。
「優秀な派遣さんに来て貰えることになったから、その方の補佐として。
それとその方から色々と勉強して欲しいから面接に同席してね。」
「はい!!」
元気に返事だけはしておいた。
微笑みながら、返事だけは。
「詳しくは派遣さんから教えて貰ってね?」
小町さんが可愛らしく笑った後、紙袋を私に差し出してきた。
「妙子ちゃん、お昼に唐揚げ食べないかな?
今日は揚げすぎて余っちゃって。」
それには一瞬揺れ動いたけど・・・
「めちゃくちゃ食べたい気持ちはあるんですけど、私唐揚げは苦手で!!」
唐揚げは苦手だった。
あんなに大好きだった唐揚げが苦手になった。
拳のめちゃくちゃ美人な彼女が作るめちゃくちゃ美味しい唐揚げの話を聞いて。
苦手になった。
“苦しい手”と書いて、苦手になった。
攻撃してくるから。
あの日から随分経ったのに、まだ私を攻撃してくるから。
二度と見たくもないくらい、苦手になった・・・。
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