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「拳が・・・高校2年生の時から・・・?」



私が聞くと松居先生は深く頷いた。



「お前達、珍しく口喧嘩したんだろ?
その翌週にまた拳が来て、それを妙に渡すように頼まれたんだよ。
辞めたとは伝えたけど・・・俺も拳も妙はしばらくしたら戻ってくるだろうと思ってた。」



松居先生が苦笑いしながら私の胸の辺りを見てくる。



「妙、それ持ってるからな。
そう簡単に信念を曲げられるような奴なわけなかったな。」



「私・・・何持ってるんですか?」



「それは拳から聞け。」



松居先生にそう言われ、私は手に持った拳からのメモ用紙を見下ろす。



「拳、その日から毎週日曜日はここに来てたぞ。」



その言葉には驚き顔を上げた。



「妙を待ってた。
毎週日曜日、東京に来て妙を待ってた。」



「それは・・・ついでだと思うけど。
私に会ったのはついでだったから。」



「・・・ついでもなにも、日帰りで日曜日に東京に来て早朝から晩までいたぞ?
新幹線の時間ギリギリまで。」
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