【完】拳に愛を込めて(カットページ掲載済2023.4.30、詳細は内容欄に記載)

Bu-cha

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「そんなにその友達のことが好きなんだ?」



中学3年、お父さんから今日もそう聞かれた。
俺の胸の辺りを見て・・・今日もそう聞かれた。



「スマホでたまに電話してるもんね?」



「それは違う奴。」



初めてそんなことまで聞かれ、俺は即答した。
電話をしているのは竹之内だった。
俺が東京にいた時に唯一いた友達、竹之内。



「引っ越しの日に見送りに来てくれた子?」



「うん。」



「・・・その子、見送りに来てくれなかったよね?
連絡とか取ってないの?」



お父さんにそう聞かれ・・・それには苦笑いになる。
妙は見送りに来てくれなかった。
妙に電話も手紙も断られてしまった。



学校の女子達からは散々聞かれたのに。
学校の女子達と同じことを俺が妙に言ったら・・・断られてしまった。



妙は・・・



いつからか、俺にだけポイントを外すようになった・・・。



それはきっと・・・



俺が妙を好きになったから・・・。



女の子として・・・



好きになったから・・・。



まだそういうのがよく分かっていない妙だから、それは入れられるわけがなかった・・・。



だから、仕方ない・・・。



それに・・・



そんな妙にどこか安心もしていて・・・。



まだ、大丈夫だろうと・・・



安心もしていて・・・。



でも・・・



でも・・・



「まだ、東京行ったらダメなの?」



今日もお父さんにそう聞く。



妙に会いたかった・・・。



妙に会いたかった・・・。



会えないのに・・・



会えていないのに・・・



妙への気持ちは大きくなっていく・・・。



だって、あんな子いなかった・・・。



こっちに来ても、中学に上がっても、あんな子はいなかった・・・。



あんな・・・



あんな・・・



心に、あんなのがある子は・・・。



そう思っていた時、お父さんが大笑いをした。
大笑いをしながら俺の胸の辺りを見てきた。



「凄いね、こんなに人の顔がクッキリ見える人ってなかなかいないんだよね。
ぼんやりだったら結構いるんだけど、ここまでクッキリ見えると・・・お父さんまでこの“男の子”と毎日会ってる気分になるよ。」



俺の心には“妙”がいるのだと分かる。
お父さんの言葉なんて聞かなくても、俺の心には“妙”がいる。



そんな妙に・・・



“大親友”の妙に・・・



今日も手紙を出す・・・。



忘れてしまわないように・・・。



俺のことを忘れてしまわないように・・・。



お父さんから何故か東京に行くことを反対されていて・・・。



全然会いに行けない“大親友”の俺のことを、妙が忘れてしまわないように・・・。



届いているのか読んでくれているのか分からない手紙を、今日も出す。



俺の住所を書けない手紙を・・・。



返事がない事実に耐えられるような強い心も精神も俺にはないから・・・。



だから、俺の住所は書けない手紙を今日も出す。



愛を込めて・・・。



妙へ・・・



愛を、込めて・・・。
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