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“今返事をしないでよく考えて欲しい”
そう言われ、その言葉には素直に頷いた。
今返事をすることは出来ないから、素直に。
ホテルのスイートルームでいつものようにそういうことをするのかと思っていたら、譲はしてこなかった。
スイートルームの寝室には行かず、譲はソファーに座り自分の足の間に私を座らせ、後ろから抱き締めてくる。
そして、私の左手の薬指にはまっている指輪に指先で優しく触れ続ける。
「俺はずっと結婚したかったよ。
高校3年の時に告白した時から、ずっと結婚したいと思ってた。」
「うん・・・。」
「5月22日の誕生日の日、終わりにしたくなんてないから。」
「うん・・・。」
「元々終わりにするつもりなんてなかったよ。
どんな方法を使ってでも俺は自分が守りたいと思ったモノを守るし、幸せにしたいと思う人のことは幸せにする。」
「うん・・・。」
「譲なんて名前だけど、俺は絶対に譲らない。
俺には正義なんてないから絶対に譲らない。
だから、5月22日に終わりにするっていう話も無理だから。」
譲が私の耳元でそんな話を続けていくのを、私は頷きながら聞いているしか出来ない。
「俺と結婚しよう。
俺も今年で29になるし、今なら俺にも力があるから。
だからどんなワガママでも聞けるよ。
どんなワガママでも叶えてあげられるから、ワガママ言ってみてよ。
俺が絶対にどんなワガママでも叶えてみせるから。」
そう言われ・・・
そう言われて・・・
泣くことしか出来なかった・・・。
「それがどんなワガママでも、叶えてみせるから。
例え灰色どころか真っ黒な願い事でも、俺が絶対に叶えてみせるから。
だから言ってみてよ、ワガママ。」
そう言われ、その言葉には素直に頷いた。
今返事をすることは出来ないから、素直に。
ホテルのスイートルームでいつものようにそういうことをするのかと思っていたら、譲はしてこなかった。
スイートルームの寝室には行かず、譲はソファーに座り自分の足の間に私を座らせ、後ろから抱き締めてくる。
そして、私の左手の薬指にはまっている指輪に指先で優しく触れ続ける。
「俺はずっと結婚したかったよ。
高校3年の時に告白した時から、ずっと結婚したいと思ってた。」
「うん・・・。」
「5月22日の誕生日の日、終わりにしたくなんてないから。」
「うん・・・。」
「元々終わりにするつもりなんてなかったよ。
どんな方法を使ってでも俺は自分が守りたいと思ったモノを守るし、幸せにしたいと思う人のことは幸せにする。」
「うん・・・。」
「譲なんて名前だけど、俺は絶対に譲らない。
俺には正義なんてないから絶対に譲らない。
だから、5月22日に終わりにするっていう話も無理だから。」
譲が私の耳元でそんな話を続けていくのを、私は頷きながら聞いているしか出来ない。
「俺と結婚しよう。
俺も今年で29になるし、今なら俺にも力があるから。
だからどんなワガママでも聞けるよ。
どんなワガママでも叶えてあげられるから、ワガママ言ってみてよ。
俺が絶対にどんなワガママでも叶えてみせるから。」
そう言われ・・・
そう言われて・・・
泣くことしか出来なかった・・・。
「それがどんなワガママでも、叶えてみせるから。
例え灰色どころか真っ黒な願い事でも、俺が絶対に叶えてみせるから。
だから言ってみてよ、ワガママ。」
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