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小学校6年生
気付いた時から私の隣には翔子がいた。
いつもいつも、いつもいつも、翔子がいた。
でも、たまにお父さんとお母さんに引き離される時間がある。
お父さんは翔子を連れていき、私はお母さんに手を引かれ芝生の庭に今日も出る。
この時はお母さんは何故か私を裸足にさせる。
気持ち良い芝生の感触を足の裏で感じ、真っ白なドレスを両手で少し持ち上げながら今日も少しだけ庭を歩いていく。
そんな私をお母さんは優しい顔で見詰めていて、この時のお母さんの顔が私は1番好きだった。
そしてしばらくしてから、お母さんはベンチではなく芝生の所に座った。
それを見て私は今日もお母さんの隣にしゃがむ。
完全に座るとこのドレスに埋もれてしまうくらいなので、私はしゃがむくらいにしている。
日曜日だけどこれからまた仕事に行くであろうお母さんは今日もズボンのスーツ。
凄く可愛い顔をしているお母さんは、いつも髪の毛を後ろで1つに結んでお化粧もほとんどしていない。
そんなお母さんの顔を眺めていると、お母さんはゆっくりと私に視線を合わせてきた。
「結子は永家の“家”の為に生まれてきた。
そして、永家の“家”の為に育てられている。」
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小学校6年生
気付いた時から私の隣には翔子がいた。
いつもいつも、いつもいつも、翔子がいた。
でも、たまにお父さんとお母さんに引き離される時間がある。
お父さんは翔子を連れていき、私はお母さんに手を引かれ芝生の庭に今日も出る。
この時はお母さんは何故か私を裸足にさせる。
気持ち良い芝生の感触を足の裏で感じ、真っ白なドレスを両手で少し持ち上げながら今日も少しだけ庭を歩いていく。
そんな私をお母さんは優しい顔で見詰めていて、この時のお母さんの顔が私は1番好きだった。
そしてしばらくしてから、お母さんはベンチではなく芝生の所に座った。
それを見て私は今日もお母さんの隣にしゃがむ。
完全に座るとこのドレスに埋もれてしまうくらいなので、私はしゃがむくらいにしている。
日曜日だけどこれからまた仕事に行くであろうお母さんは今日もズボンのスーツ。
凄く可愛い顔をしているお母さんは、いつも髪の毛を後ろで1つに結んでお化粧もほとんどしていない。
そんなお母さんの顔を眺めていると、お母さんはゆっくりと私に視線を合わせてきた。
「結子は永家の“家”の為に生まれてきた。
そして、永家の“家”の為に育てられている。」
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