107 / 395
8
8-7
しおりを挟む
「俺が何かをぶっ飛ばしてまで守りたくなるモノ。」
「それは守りたいモノだろ?」
「私が力をつけて自由にしたいモノ。」
「それは幸せにしたいモノとか?」
和と翔子がすぐに答えた回答に増田譲君は笑いながら返事をしていく。
それからゆっくりと私の方を見てきた。
そして・・・
「そっちの従妹ちゃんは?」
と、私のことを“いとこちゃん”と呼んできた。
何度か翔子のことは“翔子”と呼んでいたのに、私のことは“いとこちゃん”と呼んできた。
それには小さく笑い、私は答えた。
「私。」
その一言だけを言った私に増田譲君が少し驚いた顔をした。
「弱者は私。
“家”の名前やお金を持っているか、勉強が出来るか、力を持っているか、それらを持っているのが強者ではないと思う。」
「どうしてそう思う?」
「だって、それらを持っているのに私はこんなにも弱いから。」
そう答えた私に増田譲君は満足そうに笑って頷いた。
「私が守りたいモノは1つだけ。
私が幸せにしたいと思うモノも1つだけ。」
そう言いながら、ゆっくりと私の隣にいる翔子のことを見る。
いつも、いつだって私の隣にいてくれる翔子のことを見る。
「私は翔子のことを守りたい。
翔子のことを幸せにしたい。
でも、私にはそれが出来ない。
だから私はこんなにも弱い。
そんな私は弱者以外の何者でもない。」
私だって本当は翔子のことを守りたい。
私だって本当は翔子のことを幸せにしたい。
翔子が着たいと望んだ時、ドレスを着せられるような姉でいたい。
そう思いながら、
そう願いながら、
私は増田譲君のことを見た。
「それは守りたいモノだろ?」
「私が力をつけて自由にしたいモノ。」
「それは幸せにしたいモノとか?」
和と翔子がすぐに答えた回答に増田譲君は笑いながら返事をしていく。
それからゆっくりと私の方を見てきた。
そして・・・
「そっちの従妹ちゃんは?」
と、私のことを“いとこちゃん”と呼んできた。
何度か翔子のことは“翔子”と呼んでいたのに、私のことは“いとこちゃん”と呼んできた。
それには小さく笑い、私は答えた。
「私。」
その一言だけを言った私に増田譲君が少し驚いた顔をした。
「弱者は私。
“家”の名前やお金を持っているか、勉強が出来るか、力を持っているか、それらを持っているのが強者ではないと思う。」
「どうしてそう思う?」
「だって、それらを持っているのに私はこんなにも弱いから。」
そう答えた私に増田譲君は満足そうに笑って頷いた。
「私が守りたいモノは1つだけ。
私が幸せにしたいと思うモノも1つだけ。」
そう言いながら、ゆっくりと私の隣にいる翔子のことを見る。
いつも、いつだって私の隣にいてくれる翔子のことを見る。
「私は翔子のことを守りたい。
翔子のことを幸せにしたい。
でも、私にはそれが出来ない。
だから私はこんなにも弱い。
そんな私は弱者以外の何者でもない。」
私だって本当は翔子のことを守りたい。
私だって本当は翔子のことを幸せにしたい。
翔子が着たいと望んだ時、ドレスを着せられるような姉でいたい。
そう思いながら、
そう願いながら、
私は増田譲君のことを見た。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる