【完】好き好き大好きの嘘

Bu-cha

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そして、2月に入った。



「そろそろ卒業だね、結子も俺と和と同じ大学選ぶよね?」



増田君から今日も聞かれてしまって、それには今日も笑うだけにした。
同じ大学をいくつか受験しているけれど、私は大学まで増田君と和と一緒に進学しようとは思っていなかったから。



「翔子はそのまま上がるって?」



「うん、お嬢様お坊っちゃん学校だからね。
その予定でずっと通ってたから、頑張ってそのまま大学にもいくって。」



「あいつがお嬢様とか・・・それも永家財閥のお嬢様とかウケるよね。」



増田君が本当に面白そうな顔で笑うので、私もつられて笑ってしまった。



「俺、ちょっとドラッグストアに寄っていい?」



今日は和はいなくて増田君と2人きり。
たまに増田君と2人きりの時があって、この時間だけで私は幸せだった。
増田君と友達になれて、そう見えるようになれて、私はそれだけで幸せだった。



そう思いながら、増田君を待っている間にお菓子コーナーに行きお菓子を見下ろす。
カラフルなお菓子が沢山並んでいて、見ているだけでワクワクとした気持ちになってくる。



「どれが欲しい?」



隣に来てくれた増田君がそう聞いてくれ、私は笑いながら首を横に振った。



「私は食べられないから。」



こういうお菓子は絶対に食べないように小さな頃からおじいちゃんに言われていた。
安物の味を覚えないようにと。
更に、婚約者がいた和のお母さんを妊娠させたのが製菓会社の社長だったこともあり、おじいちゃんはこういうお菓子が目に入っただけで怒り狂う。



「食べなくてもいいよ、見てるだけでもいいから。
どれが欲しい?」



またそう聞かれてしまって、私はまた首を横に振る。



「うちは学校に行くのにお金も持たされてないから。」



高校1年生の頃、“ゆきのうえ商店街”に寄り道したことをおじいちゃんに知られ、学校に行くのにお金を持たせて貰えなくなってしまった。



「うん、だから俺が買うよ。
結子が欲しいお菓子、俺が買うから。
どれが欲しい?」



そう言われ・・・



そう言ってくれて・・・



私は笑いながら、増田君が手に持っている未会計の商品を確認してから言った。



「気持ちだけ貰っておくね、ありがとう。
お店の前で待ってるね。」




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