140 / 395
10
10-12
しおりを挟む
そして、2月に入った。
「そろそろ卒業だね、結子も俺と和と同じ大学選ぶよね?」
増田君から今日も聞かれてしまって、それには今日も笑うだけにした。
同じ大学をいくつか受験しているけれど、私は大学まで増田君と和と一緒に進学しようとは思っていなかったから。
「翔子はそのまま上がるって?」
「うん、お嬢様お坊っちゃん学校だからね。
その予定でずっと通ってたから、頑張ってそのまま大学にもいくって。」
「あいつがお嬢様とか・・・それも永家財閥のお嬢様とかウケるよね。」
増田君が本当に面白そうな顔で笑うので、私もつられて笑ってしまった。
「俺、ちょっとドラッグストアに寄っていい?」
今日は和はいなくて増田君と2人きり。
たまに増田君と2人きりの時があって、この時間だけで私は幸せだった。
増田君と友達になれて、そう見えるようになれて、私はそれだけで幸せだった。
そう思いながら、増田君を待っている間にお菓子コーナーに行きお菓子を見下ろす。
カラフルなお菓子が沢山並んでいて、見ているだけでワクワクとした気持ちになってくる。
「どれが欲しい?」
隣に来てくれた増田君がそう聞いてくれ、私は笑いながら首を横に振った。
「私は食べられないから。」
こういうお菓子は絶対に食べないように小さな頃からおじいちゃんに言われていた。
安物の味を覚えないようにと。
更に、婚約者がいた和のお母さんを妊娠させたのが製菓会社の社長だったこともあり、おじいちゃんはこういうお菓子が目に入っただけで怒り狂う。
「食べなくてもいいよ、見てるだけでもいいから。
どれが欲しい?」
またそう聞かれてしまって、私はまた首を横に振る。
「うちは学校に行くのにお金も持たされてないから。」
高校1年生の頃、“ゆきのうえ商店街”に寄り道したことをおじいちゃんに知られ、学校に行くのにお金を持たせて貰えなくなってしまった。
「うん、だから俺が買うよ。
結子が欲しいお菓子、俺が買うから。
どれが欲しい?」
そう言われ・・・
そう言ってくれて・・・
私は笑いながら、増田君が手に持っている未会計の商品を確認してから言った。
「気持ちだけ貰っておくね、ありがとう。
お店の前で待ってるね。」
.
「そろそろ卒業だね、結子も俺と和と同じ大学選ぶよね?」
増田君から今日も聞かれてしまって、それには今日も笑うだけにした。
同じ大学をいくつか受験しているけれど、私は大学まで増田君と和と一緒に進学しようとは思っていなかったから。
「翔子はそのまま上がるって?」
「うん、お嬢様お坊っちゃん学校だからね。
その予定でずっと通ってたから、頑張ってそのまま大学にもいくって。」
「あいつがお嬢様とか・・・それも永家財閥のお嬢様とかウケるよね。」
増田君が本当に面白そうな顔で笑うので、私もつられて笑ってしまった。
「俺、ちょっとドラッグストアに寄っていい?」
今日は和はいなくて増田君と2人きり。
たまに増田君と2人きりの時があって、この時間だけで私は幸せだった。
増田君と友達になれて、そう見えるようになれて、私はそれだけで幸せだった。
そう思いながら、増田君を待っている間にお菓子コーナーに行きお菓子を見下ろす。
カラフルなお菓子が沢山並んでいて、見ているだけでワクワクとした気持ちになってくる。
「どれが欲しい?」
隣に来てくれた増田君がそう聞いてくれ、私は笑いながら首を横に振った。
「私は食べられないから。」
こういうお菓子は絶対に食べないように小さな頃からおじいちゃんに言われていた。
安物の味を覚えないようにと。
更に、婚約者がいた和のお母さんを妊娠させたのが製菓会社の社長だったこともあり、おじいちゃんはこういうお菓子が目に入っただけで怒り狂う。
「食べなくてもいいよ、見てるだけでもいいから。
どれが欲しい?」
またそう聞かれてしまって、私はまた首を横に振る。
「うちは学校に行くのにお金も持たされてないから。」
高校1年生の頃、“ゆきのうえ商店街”に寄り道したことをおじいちゃんに知られ、学校に行くのにお金を持たせて貰えなくなってしまった。
「うん、だから俺が買うよ。
結子が欲しいお菓子、俺が買うから。
どれが欲しい?」
そう言われ・・・
そう言ってくれて・・・
私は笑いながら、増田君が手に持っている未会計の商品を確認してから言った。
「気持ちだけ貰っておくね、ありがとう。
お店の前で待ってるね。」
.
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる