【完】好き好き大好きの嘘

Bu-cha

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「泡~!!!!」



雪のようにも見える、溢れる程いっぱいの泡で埋もれている浴槽。
雪枝とお風呂に一緒に入ると、泣きそうな顔をしていた雪枝はいつもの笑顔に戻った。



「結子、見て見て~!
泡だるま~!!」



モコモコの泡で作った泡だるまを私に見せてくれ、子どものように無邪気な顔で笑っている雪枝には笑ってしまった。



お父さんとお母さんも初めて会った“雪枝”に興味津々な顔をしていたけれど、特に何も言わず雪枝を受け入れてくれた。



「はい、これパジャマ!」



お風呂から出て雪枝にピンク色のパジャマを渡す。
泊まりに来てくれる友達なんていないはずなのに、ナミさんが準備してくれていたパジャマ。



お風呂から出ても真っ白なドレスのような格好をしている私に雪枝は何も言わないでくれる。
以前我が家に来た時も雪枝は何も言わなかった。



すぐに口から何でも出てしまうような雪枝なのだけど、増田君の最強な幼馴染みでもある。
私が嫌な気持ちになるであろうことはいつも決して口にしない。



「急に来たのに色々とやって貰って申し訳ないな。」



「こういうの嬉しいよ!!
ドラマとか漫画みたい!!」



本当にそう思っていた。
こんなことが起きるのはドラマや漫画の世界だけだと思っていた。
それも私が落ち込んでいたその時に来てくれた。



「結子、ドラマとか漫画大好きだもんね。
ありがとうね。」



「今日は夜更かししよう!!
登校日数も足りてるし、明日も学校行かないでさ!!」



登校日数が足りている生徒は登校していないこともある。
私は少しでもカラフルな夢が詰まったようなあの場所にいたくて登校していたけれど、生まれて初めて少しだけ悪いことをしてみたくなった。



別に悪いことではないのだけど、でも今までの永家結子だったら出来なかったようなことを。



雪枝と一緒だといつも楽しくて。
雪枝が私のことをどう思ってくれているのかは分からないけれど、私は雪枝と一緒にいるといつもとても楽しかった。



私を守るでもない、私の為に生きるわけでもない、いつもコロコロと表情を変えながら自分が思うままに歩いている雪枝の姿は私をいつもワクワクとさせた。



雪枝といると永家結子をいつも忘れられた。
いつもただの“結子”でいられた。
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