【完】好き好き大好きの嘘

Bu-cha

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“神社”と言った言葉にユズさんはピクリと反応をした。
その反応を見て俺は確信をする。



「僕が母のお腹にいた頃、父は神社で毎日毎日願っていたそうです。
“一夜が守りたいと思うモノを守れる男になるように。
一夜が幸せにしたいと思うモノを幸せに出来る男になるように。”
そう毎日毎日神様に願ってくれていたそうです。」



「5円玉を賽銭箱に投げ入れて。」



俺が言おうとしていた言葉の続きをユズさんが言った。



「竜さんと俺の父親は幼馴染みでもある。
俺の父親も神様に願ったらしい。
“ゆきのうえ商店街”を去ると決めた日から、毎日毎日商店街のすぐ近くの小さな神社に行って。
俺と弟もそんな男になれるように願ってくれていたらしい。
あの商店街の異端児であった竜さんが、奇跡の息子に願った願い事と同じ願い事を。」



ユズさんが嬉しそうな顔でそう言って、少しだけ上を向いた。
あの街の人達の願い事をよく叶えてくれるという小さな神社の神様に、お礼を伝えたのかもしれない。



「結子の新しい婚約者が誰だろうと関係なく、そろそろまた強行手段を使っても今の俺なら大丈夫な頃だった。
的場製菓の社長みたいに、婚約者がいた永家の本家の長女を妊娠させるくらいにでも。」



「・・・失礼なことをお聞きしますが、翔子さんともセックスをしてるなんてことはないんですか?」



「あるわけねーだろ、セックス自体してない。
そんなことをしたら結子がこれ以上苦しむ。
翔子とはあくまでも友達の延長線。
“付き合う”という形は取ってるけどな、友達としての形は崩してない。
いくら中身は結子だろうと、俺が“翔子”に彼女として接したら結子はもっと泣くからな、俺の代わりに。」



ユズさんはそう言ってから俺のことをゆっくりと見てきた。



「あの2人は双子だからな、5月22日生まれの双子座。
2人に誕生日プレゼントをやらないとな、結子だけでも翔子だけにでもなく2人一緒に。」
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