【完】好き好き大好きの嘘

Bu-cha

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結子さんである翔子さんがいなくなった後、近藤の3人が感心したような顔で俺のことを見てきた。
それから近藤社長は残念そうな顔をして・・・



「今日ならいける気がしたから攻めてみたんだけどね、いけなかったようだ。
須崎君がうちに入社をしないと知って残念に思っていたんだよ。」



“今日ならいける気がした”近藤社長。
副社長の目でもあるあの女の人には気付かれたのだと分かった。
俺の隣にいたのがいつもの永家翔子ではないと。
あの女の人は翔子さんの時も結子さんの時も必ず現れていた。
どう見ても変わっている女の人のようなのであまり気にしていなかったけれど、その目で確認が出来るのだとやっと気付いた。



やっとそれに気付いたことに少しだけ冷や汗が出てくる。



強大な家の“主”に必要な力とやり方。
約1年間、ユズさんにそれを教え込まれてはいるけれどまだ1年。
父さんや母さんから育てられたやり方ともそれは違うもので。



こういう人達とやり合っていくには正攻法では敵わない。



強行手段を取っていると思っていたユズさんのやり方は強行手段ではないと今初めて思えた。
そんなやり方をしていかないと手に入れられないモノがある。
守れないどころか幸せに出来ないどころが気付かないうちに取られてしまうモノがある。



ユズさんがいる場所はそんな世界。
永家が存在している場所はそんな世界。



その世界に初めて足を踏み入れた。
結子さんである翔子さんは俺に一任した。
あれは中身は結子さんではあるけれど、どこをどう見ても翔子さんなので翔子さん本人でも同じことをした。



それを考えながら、俺は口を開いた。



「僕1人にさせる必要が何かありましたか?」
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