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物心がついた頃には着ていた真っ白なドレス。
そんな物を着せられていた私は灰色どころか真っ黒に汚れた。
でも、それでも、私はこの世界で生きていた。
翔子に生きる力をチャージされ続けながら。
そして、忘れることもなかったことにも出来なかった増田君への気持ち。
カラフルな思い出を灰色どころか真っ黒にしてまで私は“翔子”として増田君と過ごしてしまっていた。
この世界は汚い。
戦後の日本をリードした“家”の1つである永家が作った世界なのだから、それは汚くて当たり前で。
永家の“家”は汚い。
こんなに綺麗な翔子に対して、生まれ落ちた時から汚い言葉を浴びせ続けた。
それを考え、永家の“家”であるおじいちゃんを睨み付けながら口を開く。
「私はこの世界で誰よりも汚い。
そんな私は翔子に守って貰えるような人間ではない。
だから翔子を自由にして。」
腕組みをして私を睨み続けるおじいちゃんを私も睨み付ける。
「翔子はどこにだって翔ていける。
私という鎖は翔子にとって邪魔なだけ。
別にいいでしょ、おじいちゃん。
おじいちゃんの恥に比べたらうちらの恥なんて小さなものだもん。
本家の女2人はちょっと変わり者くらいで済むんじゃない?」
私がそう言い終わった瞬間、一夜君が小さく笑ったのが分かり・・・
「ちょっとどころかとんでもなく変わり者の女の子2人ですよね。
2人して変幻自在に変わりすぎていて、その意味が分かるまでは2人は何をしているのだろうと疑問だらけでしたよ。」
そんなことを言い出したかと思ったら、優しい笑顔のままその目にまた激しい力を込めた。
「その変わり者の女の子のうちの1人、僕は翔子さんと結婚をしたいと思っておりますがお許しいただけますでしょうか?」
そんな物を着せられていた私は灰色どころか真っ黒に汚れた。
でも、それでも、私はこの世界で生きていた。
翔子に生きる力をチャージされ続けながら。
そして、忘れることもなかったことにも出来なかった増田君への気持ち。
カラフルな思い出を灰色どころか真っ黒にしてまで私は“翔子”として増田君と過ごしてしまっていた。
この世界は汚い。
戦後の日本をリードした“家”の1つである永家が作った世界なのだから、それは汚くて当たり前で。
永家の“家”は汚い。
こんなに綺麗な翔子に対して、生まれ落ちた時から汚い言葉を浴びせ続けた。
それを考え、永家の“家”であるおじいちゃんを睨み付けながら口を開く。
「私はこの世界で誰よりも汚い。
そんな私は翔子に守って貰えるような人間ではない。
だから翔子を自由にして。」
腕組みをして私を睨み続けるおじいちゃんを私も睨み付ける。
「翔子はどこにだって翔ていける。
私という鎖は翔子にとって邪魔なだけ。
別にいいでしょ、おじいちゃん。
おじいちゃんの恥に比べたらうちらの恥なんて小さなものだもん。
本家の女2人はちょっと変わり者くらいで済むんじゃない?」
私がそう言い終わった瞬間、一夜君が小さく笑ったのが分かり・・・
「ちょっとどころかとんでもなく変わり者の女の子2人ですよね。
2人して変幻自在に変わりすぎていて、その意味が分かるまでは2人は何をしているのだろうと疑問だらけでしたよ。」
そんなことを言い出したかと思ったら、優しい笑顔のままその目にまた激しい力を込めた。
「その変わり者の女の子のうちの1人、僕は翔子さんと結婚をしたいと思っておりますがお許しいただけますでしょうか?」
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