300 / 395
21
21-1
しおりを挟む
自分がしたことに驚くしかなくて。
無意識に“結子”を追いかけ、この細い手首を強く握ってしまった。
それには“結子”も驚いた顔をして俺を見上げてきた。
その顔を見て・・・
やっぱり、きっとこの子は“結子”なのだと思う。
一瞬だったけど、その驚いた顔は翔子のソレではなく“結子”の顔だった。
きっと、そうだった・・・。
終わらない・・・。
忘れさせない・・・。
なかったことにはさせない・・・。
“ゆきのうえ商店街”だけではなく、俺は結子のことも守りたいと思った。
結子のことも幸せにしたいと思った。
お菓子1つ食べることも買うことも選ぶことも出来ない結子。
その胸に強い強さを秘めているのに封印されている結子。
俺に“あの日”の“ゆきのうえ商店街”を見させ続けてくれ、幼馴染み達のぐじゃぐじゃの泣き顔を忘れないようにいさせてくれた。
月日が経つと“あの日”の記憶も思いも薄れてしまうはずなのに。
それでも俺が忘れることがなかったのは、“あの日”の“ゆきのうえ商店街”の光景と幼馴染み達のぐじゃぐじゃの泣き顔をずっと結子が見せてくれていたから。
結んでくれていた・・・。
“あの日”の俺の強い覚悟を、“今”の俺にずっと結び続けてくれていた・・・。
高みを目指すと決めた。
もう何も取られないように高みを目指すと。
守りたいモノを守り、幸せにしたいと思うモノを幸せに出来るように。
まだ高校生なのが酷くもどかしいけれど・・・。
結子の俺への気持ちを守る為に強行手段を取る・・・。
“結子”の細い右手の手首を握り締めながら、俺は“結子”を見下ろす。
どんどん“結子”の顔が出て来ている“結子”を。
“ゆきのうえ商店街”と同じくらい綺麗な涙を持っている結子を。
そして、伝えた・・・。
「ずっと好きだった。」
そう伝えた・・・。
無意識に“結子”を追いかけ、この細い手首を強く握ってしまった。
それには“結子”も驚いた顔をして俺を見上げてきた。
その顔を見て・・・
やっぱり、きっとこの子は“結子”なのだと思う。
一瞬だったけど、その驚いた顔は翔子のソレではなく“結子”の顔だった。
きっと、そうだった・・・。
終わらない・・・。
忘れさせない・・・。
なかったことにはさせない・・・。
“ゆきのうえ商店街”だけではなく、俺は結子のことも守りたいと思った。
結子のことも幸せにしたいと思った。
お菓子1つ食べることも買うことも選ぶことも出来ない結子。
その胸に強い強さを秘めているのに封印されている結子。
俺に“あの日”の“ゆきのうえ商店街”を見させ続けてくれ、幼馴染み達のぐじゃぐじゃの泣き顔を忘れないようにいさせてくれた。
月日が経つと“あの日”の記憶も思いも薄れてしまうはずなのに。
それでも俺が忘れることがなかったのは、“あの日”の“ゆきのうえ商店街”の光景と幼馴染み達のぐじゃぐじゃの泣き顔をずっと結子が見せてくれていたから。
結んでくれていた・・・。
“あの日”の俺の強い覚悟を、“今”の俺にずっと結び続けてくれていた・・・。
高みを目指すと決めた。
もう何も取られないように高みを目指すと。
守りたいモノを守り、幸せにしたいと思うモノを幸せに出来るように。
まだ高校生なのが酷くもどかしいけれど・・・。
結子の俺への気持ちを守る為に強行手段を取る・・・。
“結子”の細い右手の手首を握り締めながら、俺は“結子”を見下ろす。
どんどん“結子”の顔が出て来ている“結子”を。
“ゆきのうえ商店街”と同じくらい綺麗な涙を持っている結子を。
そして、伝えた・・・。
「ずっと好きだった。」
そう伝えた・・・。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる