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暗くなった空の下、和の家の前で今日も結子と押し問答を繰り広げる。
「家まで送っていくから。」
「大学生になったし1人でもいいって親からも言われてるから、私のことは気にしないで?」
「俺の家までは一緒だし、そこから数分だから送るよ。」
「少し買い物にも行きたいから私はこっちに行くから。」
そう言って俺の家とも結子の家とも反対側の道を指差した。
今日もそう言って俺と反対側の道に行こうとする。
俺と翔子が付き合ってから高校を卒業するまで、結子と2人きりで帰ることはなくなった。
和に何か予定があっても必ず3人で帰るよう結子が和に合わせていたから。
浮気も不倫もご法度なので、翔子と付き合っている俺とは2人きりにならないようにしているのか。
それとも結子が俺に告白をしたから2人きりになることを避けているのか。
その両方なのだとは思うけど、あれから1度も結子と2人きりになることはなくなってしまった。
いつもならここで折れるけれど・・・
さっき和の妹ちゃんに結子への気持ちを言葉に出してしまったからか、結子への気持ちがいつもよりも抑えられなくなってくる。
「じゃあ買い物にも付き合うよ。」
俺の言葉に少し驚いた顔で、でも嬉しそうな顔になり・・・。
一瞬だけ嬉しそうな顔をしたけれど、すぐに悲しそうに笑った。
そして断りの言葉を言おうとしたのだろうけど、結子よりも先に俺は口を開いた。
「異性だとしても友達なら家まで送るくらい普通だし、買い物だってするの普通だよ、“従姉妹ちゃん”。」
「家まで送っていくから。」
「大学生になったし1人でもいいって親からも言われてるから、私のことは気にしないで?」
「俺の家までは一緒だし、そこから数分だから送るよ。」
「少し買い物にも行きたいから私はこっちに行くから。」
そう言って俺の家とも結子の家とも反対側の道を指差した。
今日もそう言って俺と反対側の道に行こうとする。
俺と翔子が付き合ってから高校を卒業するまで、結子と2人きりで帰ることはなくなった。
和に何か予定があっても必ず3人で帰るよう結子が和に合わせていたから。
浮気も不倫もご法度なので、翔子と付き合っている俺とは2人きりにならないようにしているのか。
それとも結子が俺に告白をしたから2人きりになることを避けているのか。
その両方なのだとは思うけど、あれから1度も結子と2人きりになることはなくなってしまった。
いつもならここで折れるけれど・・・
さっき和の妹ちゃんに結子への気持ちを言葉に出してしまったからか、結子への気持ちがいつもよりも抑えられなくなってくる。
「じゃあ買い物にも付き合うよ。」
俺の言葉に少し驚いた顔で、でも嬉しそうな顔になり・・・。
一瞬だけ嬉しそうな顔をしたけれど、すぐに悲しそうに笑った。
そして断りの言葉を言おうとしたのだろうけど、結子よりも先に俺は口を開いた。
「異性だとしても友達なら家まで送るくらい普通だし、買い物だってするの普通だよ、“従姉妹ちゃん”。」
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