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夜桜を見ながら、風に舞う桜の花びらを目で追う。





俺の大好きな、桜の季節。
中学2年になる直前、夏生が俺に女の子の服屋に連れていってくれた。
俺の家族に伝えるキッカケも作ってくれた。





そして・・・





学校が怖いと言った俺に、俺らしくいられる“おまじない”をかけてくれた。




夏生、元気かな?
最近よく夏生のことを思い出す。





コンビニまでの道の途中で、小さな公園の前を通った。
夏生が俺に“おまじない”をかけてくれた公園。
懐かしい気持ちにもなり、フッと公園の中を見た・・・





夏生と俺が座っていたベンチに座っている人を見て、俺は驚いた。






そして、何年経っても、暗くても、それが誰かすぐに分かった自分にも驚いた。






「夏生・・・?」






5年前の桜の季節。
俺を、俺にしてくれた人が・・・
夜桜から桜吹雪が舞う中、あの時と同じようにベンチに座っていた・・・。
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