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「おはよ~・・・」




キッチンで朝ご飯の準備をしいる俺に、夏生が気まずそうな声で挨拶をした。
俺は小さく息を吐き、夏生を振り返り「おはよう!」と明るく言った。




「あ!今はもう私服に着替えたけど、ちゃんとあのテロッテロの布で寝たから!」




顔を赤くしながらそんなことをちゃんと報告する可愛い夏生に、「偉い偉い!」と褒めると、嬉しそうな顔で頷いていた。




「今日、午後からの仕事だから。
午前中買い物に付き合ってくれるかな?」




朝ご飯を食べながら、何でもないような感じで夏生に伝える。
ここで話したら、すぐに断られるのは分かっていたから。
何処に行くのかも分かっていない夏生は、素直に頷いた。
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