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そして、5月・・・
「おばさん・・・。」
土曜日の夕方、いつものようにおばさんの家でピアノを聞いていたら・・・おばさんが“陣痛が始まった”と言った。
おばさんが震える手で、スマホで電話を掛けている。
震える声で、不安そうな声で、病院に電話をしている。
それを、俺は黙って見ていた。
こんなに不安そうなおばさんに、俺は何が出来るのか分からなくて・・・。
おばさんが電話を切り、おじさんに電話を掛けると言っていた。
でも、おじさんは出ない・・・。
おじさんは、海外に出張中だった。
「仁君のお母さんも・・・出ないね・・・。」
母ちゃんは、サッカー部の遠征合宿に向かっていた。
料理部の顧問と、サッカー部の副顧問をしているから。
普段は日曜日の練習は参加していないけど、おばさんが俺を見ていると言ってくれ・・・母ちゃんは今日の午後から泊まりで合宿に行っている。
だから、今頃向こうで練習か試合をしているのかもしれない。
そして、“いち”も・・・。
数学教室というのにお母さんが申し込みをして、そこで泊まりの合宿に行ってしまった。
俺のお父さんは、地方での公演なのでこっちにいない・・・。
「予定日より半月も早いから・・・油断しちゃった、ごめんね。」
自分が1番不安なはずなのに、おばさんが俺に謝る・・・。
それに、なんだか泣きそうになった。
でも、俺が泣いてなんていられないので・・・大きな声で笑ってみせた。
「俺がいるから大丈夫だろ!!」
「本当に、ラッキーだった・・・。
お願いね、仁君。」
おばさんには、とんでもなく大変な担当をお願いされた。
「おばさん・・・。」
土曜日の夕方、いつものようにおばさんの家でピアノを聞いていたら・・・おばさんが“陣痛が始まった”と言った。
おばさんが震える手で、スマホで電話を掛けている。
震える声で、不安そうな声で、病院に電話をしている。
それを、俺は黙って見ていた。
こんなに不安そうなおばさんに、俺は何が出来るのか分からなくて・・・。
おばさんが電話を切り、おじさんに電話を掛けると言っていた。
でも、おじさんは出ない・・・。
おじさんは、海外に出張中だった。
「仁君のお母さんも・・・出ないね・・・。」
母ちゃんは、サッカー部の遠征合宿に向かっていた。
料理部の顧問と、サッカー部の副顧問をしているから。
普段は日曜日の練習は参加していないけど、おばさんが俺を見ていると言ってくれ・・・母ちゃんは今日の午後から泊まりで合宿に行っている。
だから、今頃向こうで練習か試合をしているのかもしれない。
そして、“いち”も・・・。
数学教室というのにお母さんが申し込みをして、そこで泊まりの合宿に行ってしまった。
俺のお父さんは、地方での公演なのでこっちにいない・・・。
「予定日より半月も早いから・・・油断しちゃった、ごめんね。」
自分が1番不安なはずなのに、おばさんが俺に謝る・・・。
それに、なんだか泣きそうになった。
でも、俺が泣いてなんていられないので・・・大きな声で笑ってみせた。
「俺がいるから大丈夫だろ!!」
「本当に、ラッキーだった・・・。
お願いね、仁君。」
おばさんには、とんでもなく大変な担当をお願いされた。
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