【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

Bu-cha

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12月31日



「一美さん、洗濯したカーテン、全部掛け直しました。」



「ありがと~。
お節料理作りはまだ掛かりそう。」



29日からこの家の大掃除を2人でしていた。
時計を見るとお昼過ぎ。
キッチンのカウンターから幸治君を見ると、私服にコートを羽織りながら嬉しそうに笑っている幸治君と目が合った。



「じゃあ、行ってきます。」



「うん、行ってらっしゃい。
18時に着くように行くね?」



「はい、待ってます。
・・・絶対に来てくださいよ?
何かあったら電話してください・・・あ、電話番号なんですけど・・・」



「調べたら分かるから大丈夫。」



スマホを片手に持った幸治君が固まり、少し寂しそうに笑った。



「はい、留守電は切っておきますので。」



まだお互いのスマホで連絡を取り合ったことがない私達。
スマホで連絡を取り合えてしまったら、私はこの“いけない関係”が続けられないような気がしてしまっていた。



“幸治君の電話番号を忘れてしまった”と・・・。



“いけないコト”がしたい私に幸治君が付き合ってくれる為に始まった、この家で2人で一緒に住むということ。



それから幸治君と一緒に“いけないコト”をしていき、今の私達の“いけない関係”になっていった。



本当の夫婦ではないけれど、まるで本物の夫婦なのではないかと錯覚してしまう程、私は幸治君の奥さんで・・・。



「行ってきます、奥さん。」



玄関で幸治君を見送る私に幸治君がチュッ───────...とキスをした。



私を当たり前のように“奥さん”と呼びながら。



「絶対に来てくださいよ?
迎えに来ましょうか?」



「もう、私の旦那さんは本当に心配性。」



幸治君のことを“旦那さん”と呼びながら笑うと、まるで本物の“旦那”さんのような幸治君は暗い顔になった。



「一美さんが来てくれるか凄く怖い。
あの店でしか会えない“羽鳥さん”を待ってる時間は好きだったはずなのに、今はすげー怖い。」



「今日は18時に着くように絶対に行くから大丈夫だよ。」



幸治君の背中に両手を回しながら言うと、幸治君も私の背中に両手を回した。
凄く凄く強く・・・。



「俺、本当はずっと怖かったのかも・・・。
週末に“羽鳥”さんが“今日も”来てくれるか、凄く怖かったのかも・・・。
たまに来てくれない日もあったから・・・。」
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