272 / 585
19
19-1
しおりを挟む
12月31日
「一美さん、洗濯したカーテン、全部掛け直しました。」
「ありがと~。
お節料理作りはまだ掛かりそう。」
29日からこの家の大掃除を2人でしていた。
時計を見るとお昼過ぎ。
キッチンのカウンターから幸治君を見ると、私服にコートを羽織りながら嬉しそうに笑っている幸治君と目が合った。
「じゃあ、行ってきます。」
「うん、行ってらっしゃい。
18時に着くように行くね?」
「はい、待ってます。
・・・絶対に来てくださいよ?
何かあったら電話してください・・・あ、電話番号なんですけど・・・」
「調べたら分かるから大丈夫。」
スマホを片手に持った幸治君が固まり、少し寂しそうに笑った。
「はい、留守電は切っておきますので。」
まだお互いのスマホで連絡を取り合ったことがない私達。
スマホで連絡を取り合えてしまったら、私はこの“いけない関係”が続けられないような気がしてしまっていた。
“幸治君の電話番号を忘れてしまった”と・・・。
“いけないコト”がしたい私に幸治君が付き合ってくれる為に始まった、この家で2人で一緒に住むということ。
それから幸治君と一緒に“いけないコト”をしていき、今の私達の“いけない関係”になっていった。
本当の夫婦ではないけれど、まるで本物の夫婦なのではないかと錯覚してしまう程、私は幸治君の奥さんで・・・。
「行ってきます、奥さん。」
玄関で幸治君を見送る私に幸治君がチュッ───────...とキスをした。
私を当たり前のように“奥さん”と呼びながら。
「絶対に来てくださいよ?
迎えに来ましょうか?」
「もう、私の旦那さんは本当に心配性。」
幸治君のことを“旦那さん”と呼びながら笑うと、まるで本物の“旦那”さんのような幸治君は暗い顔になった。
「一美さんが来てくれるか凄く怖い。
あの店でしか会えない“羽鳥さん”を待ってる時間は好きだったはずなのに、今はすげー怖い。」
「今日は18時に着くように絶対に行くから大丈夫だよ。」
幸治君の背中に両手を回しながら言うと、幸治君も私の背中に両手を回した。
凄く凄く強く・・・。
「俺、本当はずっと怖かったのかも・・・。
週末に“羽鳥”さんが“今日も”来てくれるか、凄く怖かったのかも・・・。
たまに来てくれない日もあったから・・・。」
「一美さん、洗濯したカーテン、全部掛け直しました。」
「ありがと~。
お節料理作りはまだ掛かりそう。」
29日からこの家の大掃除を2人でしていた。
時計を見るとお昼過ぎ。
キッチンのカウンターから幸治君を見ると、私服にコートを羽織りながら嬉しそうに笑っている幸治君と目が合った。
「じゃあ、行ってきます。」
「うん、行ってらっしゃい。
18時に着くように行くね?」
「はい、待ってます。
・・・絶対に来てくださいよ?
何かあったら電話してください・・・あ、電話番号なんですけど・・・」
「調べたら分かるから大丈夫。」
スマホを片手に持った幸治君が固まり、少し寂しそうに笑った。
「はい、留守電は切っておきますので。」
まだお互いのスマホで連絡を取り合ったことがない私達。
スマホで連絡を取り合えてしまったら、私はこの“いけない関係”が続けられないような気がしてしまっていた。
“幸治君の電話番号を忘れてしまった”と・・・。
“いけないコト”がしたい私に幸治君が付き合ってくれる為に始まった、この家で2人で一緒に住むということ。
それから幸治君と一緒に“いけないコト”をしていき、今の私達の“いけない関係”になっていった。
本当の夫婦ではないけれど、まるで本物の夫婦なのではないかと錯覚してしまう程、私は幸治君の奥さんで・・・。
「行ってきます、奥さん。」
玄関で幸治君を見送る私に幸治君がチュッ───────...とキスをした。
私を当たり前のように“奥さん”と呼びながら。
「絶対に来てくださいよ?
迎えに来ましょうか?」
「もう、私の旦那さんは本当に心配性。」
幸治君のことを“旦那さん”と呼びながら笑うと、まるで本物の“旦那”さんのような幸治君は暗い顔になった。
「一美さんが来てくれるか凄く怖い。
あの店でしか会えない“羽鳥さん”を待ってる時間は好きだったはずなのに、今はすげー怖い。」
「今日は18時に着くように絶対に行くから大丈夫だよ。」
幸治君の背中に両手を回しながら言うと、幸治君も私の背中に両手を回した。
凄く凄く強く・・・。
「俺、本当はずっと怖かったのかも・・・。
週末に“羽鳥”さんが“今日も”来てくれるか、凄く怖かったのかも・・・。
たまに来てくれない日もあったから・・・。」
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる