【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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お兄ちゃんの言葉に、私は固まる・・・。



「鮫島君・・・。」



“お兄ちゃん”がお兄ちゃんのことを“鮫島君”と呼ぶ・・・。
家族なのに、“鮫島君”と・・・。



それを聞く度、不安になる・・・。
凄く、怖くなる・・・。



「私達・・・みんな、家族なんだよね・・・?
ちゃんと、家族なんだよね・・・?」



“お兄ちゃん”を泣きながら振り返ると、お兄ちゃんは優しい顔で笑いながらベッドから立ち上がった。



「うん、ちゃんと家族だよ・・・。
ずっと一緒だったでしょ・・・?
どんな時も、ずっとみんなで一緒にいたでしょ・・・?」



そう言いながら、私のことを優しく、優しく・・・抱き締めてくれる。
背中をポンポンッと優しく叩いてくれ、その優しい振動に少しずつ落ち着いてくる。



「鮫島君、ありがとう・・・。
こっちで寝かせるから・・・。」



「・・・ったく、お前がそんなに甘やかすから、こんな変なこと言い出してるんだからな!?」



「りーちゃんにとっては変なことじゃないから、これでいいんだよ・・・。
りーちゃんは、これでいいんだよ・・・。
ピンク色の鮫だから、これでいいんだよ・・・。」



お兄ちゃんがそう言ってくれる言葉に、私は安心していく・・・。



「それで・・・何の用事だった?」



「あ、そうだ。
母ちゃんからの伝言で、次の次の日曜日に全員集合だとよ。
母ちゃんとお前の所の親父さんから話があるらしい。」



それを聞き、私はパッと顔を上げた。



「結婚の話かな!?」



「・・・俺もそう思ってる。
あ、俺その日集合出来ねーと思うから。
仕事忙しいんだよ。」



「全員集合なのにお兄ちゃんいなかったら、話が出来ないかもしれないじゃん!!」



「俺1人いなくても別に大丈夫だろ。
後で結果だけ連絡よろしく。」



お兄ちゃんがそう言ってから、私のことを下まで見てきて・・・



「理子・・・それ、ウェディングドレスみたいだな。」



「全然違うから!!
ただの寝巻きだからね!?」



お兄ちゃん2人が、そんなとぼけたことを言っていた。
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