上 下
127 / 241
8

8-18

しおりを挟む
そう甘く噛み付いて、真理姉の弟を見上げた。
真理姉の弟は不思議そうな顔で理子のことを見下ろしている。



「真理姉の弟も、理子のお兄ちゃんになって?
真理姉も理子のお姉ちゃんで、真理姉の弟も理子のお兄ちゃんになって?」



「・・・僕が・・・?
鮫島君、怒りそうだな・・・。」



「あっちのお兄ちゃんは関係ないの!!
理子のお兄ちゃんになるのに、あっちのお兄ちゃんは関係ないの!!」



「そうなの・・・?」



「そうなの!!!
理子の家族になれるなんて、凄いことなんだからね!?
理子のお兄ちゃんになれるなんて、凄いことなんだからね!?
“うん”って頷いておけばいいの!!」



理子がそう言って、真理姉の弟の・・・“お兄ちゃん”の手を強く強く握ると・・・



「うん・・・」



と、真理姉の弟は返事をして頷いてくれた。
照れたように笑いながら、頷いてくれた。



それを見て、理子はやっと“お兄ちゃん”の手を離す。



「あ・・・そうだ・・・。」



そしたら、“お兄ちゃん”が部屋着のズボンのポケットに手を入れた。



そして・・・また手を出して・・・



理子に右手を見せてきた・・・。



その右手の上にのっている物を見て、理子は笑ってしまった。



だって、鉛筆だったから。



赤い鉛筆。



理子だと思って連れていって貰った、赤い鉛筆。



それが・・・めちゃくちゃ短くなっていたから・・・。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

短編まとめ

BL / 連載中 24h.ポイント:789pt お気に入り:104

秘密宴会

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:163pt お気に入り:8

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:342

俺のめんどうで可愛い二人

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

囲いの中で

恋愛 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:32

処理中です...