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「相川さんの奥さんって、相川薬品の元社長の娘なんでしょ?
ライバル会社の娘だから結婚しなくてもいいと思ってたの?」
「俺、新卒から相川薬品に勤めてたからライバル会社どころか当時から婚約者だったんだよ。
でも、あいつには“お互いの利益の為に”って言いくるめて婚約してた。」
そんな話は聞いたことがなかったので驚きながら相川さんを見る。
「好きじゃなかったのに婚約してたってこと?」
「俺は会ってすぐに好きになったよ。
あいつがあまりにおバカで自覚出来そうになかったから、このまま結婚なんてしなくてもいいかなと思ってたら・・・」
「思ってたら?」
聞いた私に、相川さんが誇らしげに笑って・・・
「我が社の副社長様から、結婚まで持っていくよう導かれましたよ。
結月(ゆづき)の父親が加賀製薬の取締役に就任することが決まってたからな。
副社長様の秘書である俺と大々的に結婚式を挙げることで、結月の父親が持っている人と物の力を加賀製薬に移した。」
「うちの会社、少し前まで業界トップから落ちそうになってたんだよね?」
「だな、小町が副社長に就任してから持ち直してきてる。
これからもっと整えていく為に、小町直属の部下になれるような人材をもっと入れていきたい。」
「小町さんの為に戦える戦士、だっけ?」
バイト初日に相川さんから言われた言葉を言うと、相川さんが満足そうに頷いた。
そして・・・
「お前の育ての母親も実の祖父も、マツイ化粧品の人間だけどな。
卒業後はそっちに就職したいとか考えてるかもしれねーけど、うちとしてはお前を絶対に手放したくない。
バイトで構わないから、絶対に手放したくないと思ってる。」
そんなことを言ってきて・・・。
それに驚いていると、相川さんが鋭い目付きで笑いながらパソコンの画面を指先でトントンっと叩き・・・
そこには、お兄ちゃんの顔が・・・。
「悪いけどな、俺は使える武器は何でも使う。
そうやって教育されてるからな。
俺は、小町の婚約者候補でもあった男なんだよ。」
そんなことを言って笑う相川さんは、この広い現実世界で出会ったどんな魚よりも・・・鮫よりも・・・違う生き物のようで・・・。
“人間”なのだと思った・・・。
知恵を持った、“人間”なのだと思った・・・。
私を捕え、痛め付けるかもしれない・・・
そんな、“人間”・・・。
でも・・・
「よく真っ直ぐ泳いできたな、鮫島理子。
これからもそうやって泳ぎ続けろ。
お前はお前らしく、自由に泳ぎ続けろ。
加賀製薬が・・・小町が、絶対に守ってやるから。」
そう言ったこの“人間”は、きっと悪い“人間”ではなくて・・・。
私を、ピンク色の鮫として認めてくれる“人間”・・・。
ライバル会社の娘だから結婚しなくてもいいと思ってたの?」
「俺、新卒から相川薬品に勤めてたからライバル会社どころか当時から婚約者だったんだよ。
でも、あいつには“お互いの利益の為に”って言いくるめて婚約してた。」
そんな話は聞いたことがなかったので驚きながら相川さんを見る。
「好きじゃなかったのに婚約してたってこと?」
「俺は会ってすぐに好きになったよ。
あいつがあまりにおバカで自覚出来そうになかったから、このまま結婚なんてしなくてもいいかなと思ってたら・・・」
「思ってたら?」
聞いた私に、相川さんが誇らしげに笑って・・・
「我が社の副社長様から、結婚まで持っていくよう導かれましたよ。
結月(ゆづき)の父親が加賀製薬の取締役に就任することが決まってたからな。
副社長様の秘書である俺と大々的に結婚式を挙げることで、結月の父親が持っている人と物の力を加賀製薬に移した。」
「うちの会社、少し前まで業界トップから落ちそうになってたんだよね?」
「だな、小町が副社長に就任してから持ち直してきてる。
これからもっと整えていく為に、小町直属の部下になれるような人材をもっと入れていきたい。」
「小町さんの為に戦える戦士、だっけ?」
バイト初日に相川さんから言われた言葉を言うと、相川さんが満足そうに頷いた。
そして・・・
「お前の育ての母親も実の祖父も、マツイ化粧品の人間だけどな。
卒業後はそっちに就職したいとか考えてるかもしれねーけど、うちとしてはお前を絶対に手放したくない。
バイトで構わないから、絶対に手放したくないと思ってる。」
そんなことを言ってきて・・・。
それに驚いていると、相川さんが鋭い目付きで笑いながらパソコンの画面を指先でトントンっと叩き・・・
そこには、お兄ちゃんの顔が・・・。
「悪いけどな、俺は使える武器は何でも使う。
そうやって教育されてるからな。
俺は、小町の婚約者候補でもあった男なんだよ。」
そんなことを言って笑う相川さんは、この広い現実世界で出会ったどんな魚よりも・・・鮫よりも・・・違う生き物のようで・・・。
“人間”なのだと思った・・・。
知恵を持った、“人間”なのだと思った・・・。
私を捕え、痛め付けるかもしれない・・・
そんな、“人間”・・・。
でも・・・
「よく真っ直ぐ泳いできたな、鮫島理子。
これからもそうやって泳ぎ続けろ。
お前はお前らしく、自由に泳ぎ続けろ。
加賀製薬が・・・小町が、絶対に守ってやるから。」
そう言ったこの“人間”は、きっと悪い“人間”ではなくて・・・。
私を、ピンク色の鮫として認めてくれる“人間”・・・。
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