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そう言った時、お兄ちゃんのスマホが鳴った・・・。
珍しく、鳴った・・・。
珍しくダイニングテーブルの上に置いていたお兄ちゃんのスマホが、鳴った・・・。
「ごめん、ちょっと・・・。」
お兄ちゃんが慌てた様子で、でもスマホの画面を見て嬉しそうな顔をして立ち上がり、スマホを持って部屋に入ってしまった。
それには驚くしかなくて・・・。
「誰からの電話・・・?」
あんな顔でスマホを見たお兄ちゃんの顔を見るのは初めてで・・・。
震えてきた両手で自分のお腹に触れる・・・。
「どうしたらいいんだろう・・・。」
本当の兄妹にはなれない。
だからお兄ちゃんと妹で結婚も出来ない。
イライラする気持ちはお兄ちゃんに噛み付いても落ち着くことはない。
自分をたるませることで甘やかして、ほんの少しだけ落ち着く日々・・・。
お兄ちゃんではないのに・・・。
もう、お兄ちゃんと呼ぶのは違うのに・・・。
でも、私はまだ“お兄ちゃん”以外の呼び方では呼べなくて・・・。
お兄ちゃんがよかった・・・。
私はお兄ちゃんに、“お兄ちゃん”になって貰いたかった・・・。
そして、私を戴いて欲しかった・・・。
身体だけではなく、私自身も・・・。
それが叶わないと分かった今、私はどうやって生きていけばいいのか分からなくなってしまった・・・。
どうやって生き延びていけばいいのか分からなくなってしまった・・・。
それくらいに、私にとってお兄ちゃんは昔から“お兄ちゃん”で・・・。
大大大好きな人だったから・・・。
「1回くらい、戴いてくれれば良かったのに・・・。」
お兄ちゃんから戴いて貰えることのないこの身体は、整える意味などなくて・・・。
お兄ちゃんから戴いて貰えることのない私自身は、脱け殻のようで・・・。
空っぽになってしまった・・・。
お兄ちゃんから“お母さんのノート”を貰った日から染み渡り満たされたものが、また空っぽになってしまった・・・。
泣きながらお兄ちゃんの部屋を眺めていると、スマホを持ったお兄ちゃんが部屋から戻ってきた。
「・・・女からの電話?」
「え・・・?
いや、鮫島君からの電話・・・。」
「それは・・・驚き。」
何故かあっちのお兄ちゃんからの電話に喜びながら出たらしい。
珍しく、鳴った・・・。
珍しくダイニングテーブルの上に置いていたお兄ちゃんのスマホが、鳴った・・・。
「ごめん、ちょっと・・・。」
お兄ちゃんが慌てた様子で、でもスマホの画面を見て嬉しそうな顔をして立ち上がり、スマホを持って部屋に入ってしまった。
それには驚くしかなくて・・・。
「誰からの電話・・・?」
あんな顔でスマホを見たお兄ちゃんの顔を見るのは初めてで・・・。
震えてきた両手で自分のお腹に触れる・・・。
「どうしたらいいんだろう・・・。」
本当の兄妹にはなれない。
だからお兄ちゃんと妹で結婚も出来ない。
イライラする気持ちはお兄ちゃんに噛み付いても落ち着くことはない。
自分をたるませることで甘やかして、ほんの少しだけ落ち着く日々・・・。
お兄ちゃんではないのに・・・。
もう、お兄ちゃんと呼ぶのは違うのに・・・。
でも、私はまだ“お兄ちゃん”以外の呼び方では呼べなくて・・・。
お兄ちゃんがよかった・・・。
私はお兄ちゃんに、“お兄ちゃん”になって貰いたかった・・・。
そして、私を戴いて欲しかった・・・。
身体だけではなく、私自身も・・・。
それが叶わないと分かった今、私はどうやって生きていけばいいのか分からなくなってしまった・・・。
どうやって生き延びていけばいいのか分からなくなってしまった・・・。
それくらいに、私にとってお兄ちゃんは昔から“お兄ちゃん”で・・・。
大大大好きな人だったから・・・。
「1回くらい、戴いてくれれば良かったのに・・・。」
お兄ちゃんから戴いて貰えることのないこの身体は、整える意味などなくて・・・。
お兄ちゃんから戴いて貰えることのない私自身は、脱け殻のようで・・・。
空っぽになってしまった・・・。
お兄ちゃんから“お母さんのノート”を貰った日から染み渡り満たされたものが、また空っぽになってしまった・・・。
泣きながらお兄ちゃんの部屋を眺めていると、スマホを持ったお兄ちゃんが部屋から戻ってきた。
「・・・女からの電話?」
「え・・・?
いや、鮫島君からの電話・・・。」
「それは・・・驚き。」
何故かあっちのお兄ちゃんからの電話に喜びながら出たらしい。
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