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「・・・まっ、て・・・っはげしい・・・っ!!」



叫び声が出ている合間にそう伝えるけれど、昨日よりもずっと激しく私の中を貫き続けるステル殿下。



「見てみろ、カルティーヌ・・・っ。
俺の子種がこんなに溢れてきている・・・っ」



私の両足の太ももを思いっきり掴み上げてきて、私の女の部分にステル殿下のソレが入っているトコロを見せてきた。



私の中で2回出されたステル殿下の子種はステル殿下が腰を動かす度に溢れ出てきている。



「カルティーヌのこの身体で結ばれているのは俺だからな・・・っ。
こんなに・・・こんなに繋がっている・・・っ。
身体だけでも・・・こんなに繋がっている・・・っ。」



ステル殿下が怒りを込めた目で、でも泣きそうな目で私のことを見下ろしてくる。



「早く・・・俺との子どもを・・・っ。
花なんてすぐに枯れる・・・。
でも、俺との子どもが出来れば枯れた花なんかよりもずっと強く心は結ばれる・・・。
きっと、結ばれる・・・っ。」



そんなことを言われて・・・



「好きなの・・・?」



思わず呟いた私に、ステル殿下が腰の動きを止めた。



「私のことが好きになったの・・・?」



呼吸を整えながら聞くと、ステル殿下は口を強く結んだ。
でも、すぐに開き・・・



「好きだ。」



そう言ってきた。



「俺は、カルティーヌのことが好きだ。
こんなことになるなら渡せばよかった・・・。
俺もカルティーヌに花を渡してちゃんと求婚すればよかった・・・。」



そんな言葉には乾いた笑い声が出て来て。



「それは無駄ですよ・・・。
私が受け取ったのは枯れることはない花なので。
枯れない花を私は受け取りました。」



両手をまた強く強く胸の間に置く。



「この世界に枯れない花などない。
“死の森”にも咲くヒヒンソウですら抜いたら枯れる。」



「普通はそうですよね。
でも、枯れない花を渡してくれました。
今も枯れないまま、きっとインソルドでその花と共にいるはずです。」



「・・・人の心は移り変わっていく。
今ももしたら他の女と子作りでもしているかもしれないぞ?」



「私も今他の男と子作りしていますからね、性行為ですけど。」



「そうだな、子作りでない分カルティーヌの方が悪い女かもしれないな。」



ステル殿下が意地悪な顔で笑いながら、私の顔に顔を近付けてきた。



「俺の前でも堅苦しい話し方を止めろ。
他の人間の前では素を出しているのかと思うとムシャクシャしてくる。」
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