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「・・・っいたぃ・・・」



今日は女の部分を何も慣らされず急にソレを貫かれた。
なので三夜目の今日は初めてここまで痛いと感じた。



「痛いなら俺はやっぱり王に近い王族ではないな。
俺はやっぱりクラスト陛下の子どもではない。
俺の母親のエリナエルは一体誰と子作りをしたんだろうな。」



怒りで満ち溢れている目で私を睨みながら、それでも物凄く泣きそうな顔をしているステル殿下。



“痛い”と言ったのに激しく下から突き上げてくる。



「俺は国王の息子なんていう地位はいらなかった・・・っ!
ずっと捨ててしまいたかった・・・!!」



「捨てたらダメだよ・・・っそれを持って生き抜かないと・・・。」



「だから生き抜いてきただろ・・・!!
この命がある限り最善を尽くしながら、ここまで生き抜いてきた・・・!!
その結果がこれだよ・・・これだったんだよ・・・!!」



ステル殿下がそう怒鳴り私の身体をベッドに力強く倒した。
そして私の身体に覆い被さり、貫かれたままのソレを思いっきりぶつけてきた。



「花を・・・花を渡すのを忘れていた・・・っ。
そんなものすっかり忘れていて・・・っ。
俺はカルティーヌに花を渡して求婚もしていない・・・っ。
受け取って貰うことが出来なかった・・・!!
俺からの求婚を受け取って貰うことが出来なかった・・・!!!」



「わか・・・った、花・・・受け取るから・・・!!」



「もう、遅い・・・。
俺達はとっくに結婚をした・・・。
そして戦友になった・・・。」



ステル殿下の怒りの目からは涙が落ちてきた。
私の顔に次から次へと落ちてきて。



「俺の妻となる為に蘇ってしまったのなら、可哀想な“次の人生”になってしまった。
折角生き返ることが出来たのに、こんなに可哀想な“次の人生”にさせてしまった。
こんなモノが浮かび上がってしまったせいで・・・。」



腰の動きを止め、ステル殿下が右手をソッと私の胸の真ん中に置いた。



「あの偽物の“医師”から聞いたんですか?
私が1度“ほぼ”死んだって。
インソルドでは魔獣に殺されることは残念ながらたまにありますから。」



私は15歳の時に1度“ほぼ”死んでいる。
私の血の繋がらない弟、ソソを守った時に“ほぼ”死んでしまった。



でも奇跡的に急所は外れていたのか約半年間眠り続け、目を開けることが出来た。
その時の傷か後遺症なのか“月のモノ”が来ることはなかったけれど。



その時のことを思い出しながら、涙を流しているステル殿下を見る。
ステル殿下は右手を離し、それから私の頬を優しく包んだ。



「次の人生では必ず渡すから・・・。
花を渡してカルティーヌに求婚をする・・・。
美しい花を必ず渡すから・・・。
この人生を強く強く、どこまでも強く生き抜くから・・・。
だから次の人生では受け取って欲しい・・・。
俺からの花を受け取って欲しい・・・。」



ステル殿下が流す涙は赤い光りで小さく輝いていた。
私の胸の間、ヒヒンソウの花の刻印の小さな小さな赤い光りで。



その赤い涙はまるで血のようだった。



その血の涙を眺めながら、乾いた小さな笑い声が出てきてしまう。



「私はこんな軟弱な姿の女のままではいられないだろうから、次の人生でもきっとステル殿下から花を受け取ることは出来ない。」



「俺はカルティーヌがどんな姿でも花を渡す。
必ず渡しに行く。」



「じゃあ、期待しないで待ってる。」



笑いながらそう答えるとステル殿下は苦しそうに美しい顔を歪め、私の首筋に顔を埋め私のことを強く抱き締めた。



「すぐに迎えに行くから・・・。
必ず待ってて・・・。
必ず、必ず待ってて・・・。」
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