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夜
今日もステル殿下と背中を合わせながらフカフカ過ぎるベッドの中で目を閉じる。
今日はそろそろ子作りするタイミングの日だったけれど、ステル殿下には何も伝えなかった。
ステル殿下は私に指1本触れてくることはなくなり、私からもあの日から数日、ステル殿下には指1本触れていない。
今日もお互いの1日の行動や入手した情報の共有をした後、背中を向け合ったままお互いに口を閉じた。
最近はこれが眠る時の合図だった。
枕元にナイフがあるのも最後に確認出来たので、このまま今日も眠ろうとした時・・・
「カルティーヌは白が好きなのか?」
ステル殿下がそう聞いてきた。
「別に好きではないけど、何で?」
「ドレスを着る時はいつも白いドレスだから。」
「あの白いドレスが1番軽いから着てるだけ。」
「そうか・・・。」
私の答えにステル殿下がそう言って静かになった。
だから私も口を閉じてまた眠ろうとした。
そしたら・・・
「カルティーヌは何色が好きなんだ?」
そんなことを聞いてきた。
「何色が好きかなんて考えたこともない。」
「そうか・・・。
明日、少しだけ時間を作るから王都に一緒に行ってみないか?」
「王都に?何の調査?」
「カルティーヌの好きな色を知る調査に。」
そんな返事には思わず笑ってしまう。
「調査したところでよく分からないよ。
今まで色なんて好き嫌いで考えたこともないから。」
「髪の色は黒が好きだと言ってくれていた・・・。」
「うん、黒髪が1番好き。」
私が答えるとステル殿下は少しだけ無言になり、また声を出してきた。
「では、黒い花か・・・。」
「何が?」
「次の人生でカルティーヌに渡す花。」
それを聞き・・・
それを聞いて、私の口からは乾いた笑い声しか出てこない。
ステル殿下は次の人生でどうしても私に花を渡したいらしい。
「明日、王都にある花屋に一緒に行かないか?
1番大きな花屋の場所を教えてもらったから。
そこでカルティーヌが美しいと思う花を調査しに行きたい。」
「今から次の人生で求婚することなんて考えるのはもうやめよう。
次の人生では次の人生での出会いもあるはずだし、この人生でだってステル殿下の心が移り変わることもあるだろう・・・」
「それはない。」
“あるだろうし”と言いきる前にステル殿下が即答してきた。
「俺の心が移り変わることは絶対にない。」
そんな言葉には小さく笑いながら口を開いた。
「花を渡して求婚するくらい好きだった女がいたんでしょ?
それなのに今は私のことがこんなに好きになってるけどね。」
今日もステル殿下と背中を合わせながらフカフカ過ぎるベッドの中で目を閉じる。
今日はそろそろ子作りするタイミングの日だったけれど、ステル殿下には何も伝えなかった。
ステル殿下は私に指1本触れてくることはなくなり、私からもあの日から数日、ステル殿下には指1本触れていない。
今日もお互いの1日の行動や入手した情報の共有をした後、背中を向け合ったままお互いに口を閉じた。
最近はこれが眠る時の合図だった。
枕元にナイフがあるのも最後に確認出来たので、このまま今日も眠ろうとした時・・・
「カルティーヌは白が好きなのか?」
ステル殿下がそう聞いてきた。
「別に好きではないけど、何で?」
「ドレスを着る時はいつも白いドレスだから。」
「あの白いドレスが1番軽いから着てるだけ。」
「そうか・・・。」
私の答えにステル殿下がそう言って静かになった。
だから私も口を閉じてまた眠ろうとした。
そしたら・・・
「カルティーヌは何色が好きなんだ?」
そんなことを聞いてきた。
「何色が好きかなんて考えたこともない。」
「そうか・・・。
明日、少しだけ時間を作るから王都に一緒に行ってみないか?」
「王都に?何の調査?」
「カルティーヌの好きな色を知る調査に。」
そんな返事には思わず笑ってしまう。
「調査したところでよく分からないよ。
今まで色なんて好き嫌いで考えたこともないから。」
「髪の色は黒が好きだと言ってくれていた・・・。」
「うん、黒髪が1番好き。」
私が答えるとステル殿下は少しだけ無言になり、また声を出してきた。
「では、黒い花か・・・。」
「何が?」
「次の人生でカルティーヌに渡す花。」
それを聞き・・・
それを聞いて、私の口からは乾いた笑い声しか出てこない。
ステル殿下は次の人生でどうしても私に花を渡したいらしい。
「明日、王都にある花屋に一緒に行かないか?
1番大きな花屋の場所を教えてもらったから。
そこでカルティーヌが美しいと思う花を調査しに行きたい。」
「今から次の人生で求婚することなんて考えるのはもうやめよう。
次の人生では次の人生での出会いもあるはずだし、この人生でだってステル殿下の心が移り変わることもあるだろう・・・」
「それはない。」
“あるだろうし”と言いきる前にステル殿下が即答してきた。
「俺の心が移り変わることは絶対にない。」
そんな言葉には小さく笑いながら口を開いた。
「花を渡して求婚するくらい好きだった女がいたんでしょ?
それなのに今は私のことがこんなに好きになってるけどね。」
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