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「・・・うちの社員、ではないですよね。
失礼ですが、ご用件は?」



佐竹部長がサッと理子の所に近付き、私は慌てて口を開いた。



「娘です!!!
私の娘で・・・すみません・・・。」



そう言って、扉の前で立ちすくんでいる不満タラタラな理子に笑い掛ける。
2日前からずっと不満タラタラな顔をしている理子に笑い掛ける。



「理子、どうしたの?
どうやって入ってきたの?」



「私は別におじいちゃんの会社なんて来たくなかったけど、小町さんがこっちに行けって。」



「小町さん・・・?
加賀製薬の副社長さんが?
・・・あ、娘は大学4年生で、加賀製薬でアルバイトをしています。
お騒がせして申し訳ありません。」



私が謝罪をすると、人事部内の社員達・・・
主に女の子達の目がキラキラと輝きだした。



「“リコ”・・・。」



1番先にレイラが口を開いた。



「“コウイチ”の妹だもんね、それは“リコ”だよね!!」



レイラがそう言って立ち上がると、希奈も続いて立ち上がった。



「すご~い!!めっちゃファン!!
あ・・・婚約指輪ちゃんとしてるんだ!!」



レイラが理子に握手を求めると、理子はチラッとそれを見てから無視をした。



理子が配信している動画チャンネル、“可愛くて美味しい私のまり姉”。
登録者数も100万人を超えているし、真理はたまに街でも声を掛けられる。
理子も婚約を機に話し掛けられるようになった。
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