非オタな僕が勇者に転生したら、オタな彼女が賢者に転生してサポート万全だった。

ケイオチャ

文字の大きさ
12 / 53
第一章 異世界を知る

自由に生きる弓使いとライバル視する賢者〜町と盗賊の問題を解決する〜

しおりを挟む
 フェリーチェ町は畑業が盛んで、野菜や果物を
 家の庭で育てている。
「町長、こちらの三人が盗賊を退治して下さい
 ました。それではわたくしは用事があります
 ので、失礼させていただきます。」 
 マユミは町長の所まで案内し、報告すると、
 どこかに行ってしまった。
「マユミさん、行っちゃった。
 よいしょ、初めまして、
 私は勇者のユウ・ブレイブと申します。」
 どんと、縛った盗賊を置き、自己紹介したユウ。
「私は賢者のルカ・ピースと申します。」
 (マユミはどこに行ったの。
 ほんと自由すぎるわ。)
 マユミに心の中で怒りつつ、
 礼をしながら自己紹介するルカ。
「私は薬師のレン・アポテカと申します。」
 (これで良いのか?礼儀正しいは難しいな。)
 ぎこちなく自己紹介するレン。
「おお~、これは感謝します。お三方。
 ですが、盗賊はもっと大人数で構成されている
 のです。アジトをこちらで聞き出しますので
 後日、捕まえるのをお願いできませんか。
 報酬は今日と後日でもちろん別々で出します。」
「そうなんですね。是非僕たちにやらせて
 下さい。」
 シャキッとした顔で一人称が僕に戻りつつ、
 承諾するユウ。
「はい、私たちが壊滅させて見せます。」
 (ユウ、どのくらいの規模かもわかってないのに。
 でも、盗賊のアジトに行くのは異世界らしい
 クエスト。最高~!)
 心の中で不安とわくわくをしつつ、承諾するルカ。
「はい、倒します。」
 レンは二人続いて承諾する。
 盗賊たちは、町長の家にある地下牢に入れられた。
 三人は町の宿に泊まることにした。
 夜まで時間があったため、町の様子を見に行った。
「勇者様だぁ、マユミさんといたよね。
 どこ行ったかわかる?いつも神出鬼没なんだ。」
 町の子供に声をかけられた。
「うん、僕も分からないな。町長に僕たちのこと
 紹介した後にどっか行っちゃったんだよ。
 ごめんね。」
 (マユミさん、町でもそんな感じなのか。
 今までの知ってる姿と全然変わったな。)
「ううん、また来た時に話しかけるから大丈夫。
 ありがとう、勇者様。バイバイ」
 手を振りながら家の方に走っていった。
「バイバイ~。」
 手を振りかえすユウ。
「この町は綺麗ね、自然に溢れてる。」
 自然に見惚れるルカ。
「ユウは相変わらず子供人気すごいな。
 周りに集まってる…というか遊んでんな。」
 レンの見た方向にはユウの周りに子供が集まって
 いる。
「勇者しゃま遊んでー。」
「遊べー。」
「遊んで下しゃい。」
「おーみんなで遊ぼー。」(ユウ)
 ユウは楽しく遊んでいる。
 二時間後…レンはユウをよびに来た。
「ユウ!そろそろ宿に戻るぞ。」
 (すごいな、二時間も遊んでたぞ。)
「はーい、みんな僕、レンに呼ばれたから
 戻るね。じゃーねー。バイバイ!」
 体力に余裕があるユウは楽しく子供たちと
 別れた。
「バイバイ~!」
 子供たちも楽しく別れている。
「レン、お待たせ!なんで笑ってんだ?」
 不思議な顔をして、話すユウ。
「いや、変わんないなと思ってな。
 なんか安心した…。」
 (ユウはどこでもユウだな。
 マユミさんのように環境が変わると性格が
 変わる者いるからな。心配してたが…
 無用だな。)
 広角が上がって笑うレン。
「ほぇ、ふふふ、それならレンも変わってないよ。」
 つられて笑うユウ。
「ユウ!レン!いつまでくっちゃべってんのよ。
 もうすぐ宿のご飯ができるから呼んできてって
 レンに頼んだの。十分たっても戻ってこない
 んだから、困ったもんだわ。」
 (なんかあったのかと思ったけど、何もないなら
 良かった。本当仲良い二人。)
 表では怒りつつ、心の中では心配していたルカ。
「あはは、ごめんな。今行く。」
「ごめん、子供たちと遊ぶの楽しかったから。」
 宿に戻った三人は、テーブル席に案内されて、
 料理がすぐに届いた。
 野菜スープと鶏肉のような魔物肉を使った唐揚げ
 た下にはもやしがひいてある。
 デザートには色とりどりのフルーツが籠に
 乗っている。
「おお~、すごい美味しそう。
 これ、からあげかな!?僕の好物だ。」
 からあげにら反応するユウ。
「健康に良さそうなメニューね。
 特産を生かしているって感じね。」
 町の特徴から感想を言うルカ。
「からあげかぁ、久しぶりにガッツリ系食べるぞ。
 野菜スープも食べやすい大きさだ。」
 こちらもからあげに反応しつつ、野菜の切り方に
 注目したレン。
「いただきます!」
 三人同時に言って、食べ始めた。
 食べ終わった後、ルカは一人部屋で、
 レンとユウは同室で、それぞれ眠りについた。

      ~盗賊のアジト~

「お頭大変です!草原に行った全員やられました。
 三人のパーティとあの弓使いでやす!」 
 情報役の盗賊が言う。
「なんだと!下っ端はどうなった?」
 驚いて聞くリーダー。
「縄で縛り上げられて、フェリーチェに連れて
 いかれたやす。三人パーティのリーダーが、
 片手で持ち上げて…」
 持ち上げての部分は身震いしながら言う情報役。
「これは明日、戦いに備えるぞ!
 そいつらが突撃してくるかもしれん。
 このブルット様がボコボコにしてやる!」
「おー!」
 ブルットが威勢よく言うと、盗賊たちはそれに
 答える。

    ~次の日の朝の町長の家にて~

「おはようございます、町長」
 元気に挨拶する三人。
「おはようございます、お三方元気そうで
 なにより。お呼びしたのは紛れもなく盗賊の
 アジトについてです。
 フェリーチェを南に出て、東の方向にツノが
 ついた洞窟があり、そこがアジトです。
 そこの盗賊たちを倒して下さい。」
「分かりました!行ってきます。」
 三人は声を合わせて、しっかり返事をした。

    ~盗賊のアジトの入り口周辺~
「ここじゃないか!鬼っぽいツノあるよ!」
 洞窟に指差して言うユウ。
「ぽいな、行ってみようぜ!」
 突撃しようとするレン。それに続いて行こう
 とするユウ。
「ちょっと待った!二人とも!
 何事も準備が必要よ…ってもういない!?」 
 ルカの叫びは耳に届いていない二人。
「あーもう!行くしかない。」
 突撃するルカ。

 ~アジト内~

「盗賊たちを倒しにきた!」
 意気込みを言うユウ。
「アジトごと爆破したいが、さすがに
 巻き込みすぎるから小さいので勘弁してやる。」 
 中々怖いことを言うレン。
「行けー!相手は二人だ!囲めば行ける!」
 数が多ければ強いと思ってるブルット。
「侵入者めー!」
「これは俺たちものだー!」
 斧や棍棒や剣の前衛に、弓や魔法などの後衛が
 いる。
「よっ!ほっ!えい!気絶させる!」
 うまい具合に避けて、相手の隙を狙い、気絶 
 せるユウ。
「小爆弾四連発!麻痺薬!」
 どんどんどーん爆発させつつ、しびれさせて
 動けなくするレン。
「ホールシールド!危なっかしいわね。
 ファイヤーウィンドー!」
 風と共に後衛の攻撃を燃やすルカ。
 あっという間にリーダーのブルット一人になった。
 ユウは剣を、レンは爆薬の入った瓶を、
 ルカは杖をブルットに向ける。
「どうするんだ?降参するか?」
 真剣に問うユウ。
「この爆弾は中々すごいぞ!」
 脅してるレン。
「これ以上、町の人たちに手出ししてほしくない
 の。だから…ね?」
 攻撃したらタダじゃ済まないよという顔をする
 ルカ。
「分かった…降参する…だから命だけは…。」
 怯えた顔して答えるブルット。
「うん、縄でしばるけど、命は取るつもりないよ。
 罪はしっかり償ってもらわなきゃ。」
 剣を戻し、縄で縛り始めるユウ。
「おぅ、そうだな。町長とこ行ってくるぜ!
 報告と助け呼びにな。」
 爆弾をしまって、走って町に向かうレン。
「私は武器をっと、コレクト!」
 盗賊たちから武器だけがルカに集まって、
 中心に山にして置いた。
 その後、助けがきて運ばれていく盗賊。
 三人は町長の元に行った。
「ありがとうございます、感謝しかありません。
 盗賊たちはしばらく牢屋にいれます。
 殺しをしているわけではないので、労働力として
 働いてもらいます。
 こちらが報酬の金貨15枚です。」
「ふふふ、良かったです。町長。
 私も様子を見に行きましたが、
 助力がいらなかったようなので、
 楽しく観覧させていただきました。」
 マユミか突然後ろから現れて言う。
「マユミ!どこ行ってたのよ!
 てか、いつ見てたの?!
 全然気づかなかったわ。」
 悔しそうに言うルカ。
「うふ、気配を消していましたから。
 そんな怒ることでもないでしょう。
 気づかなかったのが悔しいだけで。」
 笑うマユミ。
「んんー。」
 なにも言い返せないルカ。
「次は絶対気づいて見せるんだから。
 覚悟しなさいよ、マユミ!」
 マユミに指差すルカ。
「はい、受けて立ちます。」
 余裕のマユミ。
 町長から丁寧に報酬を受け取ったユウは、
 困惑した表情でルカとマユミをみる。
 レンも困惑した様子で止めるタイミングを
 見計らっている。
「お二方、外でお願いできますか?」
 笑顔で怒る町長。
「申し訳ありません、町長。
 今、出て行きます。」
 丁寧に謝るマユミ。
「すみません、町長。」
 気まずく謝るルカ。
 (町長、結構怒ってる。僕もいかなきゃ。)
「失礼しました、ありがとうございます。」
 報酬のお礼を行って出ていくユウ。
「失礼しました。」
 ユウに続いて言うレン。
盗賊の問題は解決したのだった…



























しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...